心臓血管疾患
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カテーテルによる補助人工心臓はさらに進化する可能性もある
去る4月、日本で承認されたばかりの補助人工心臓を使った心臓手術が大阪警察病院で実施されました。「IMPELLA(インペラ)」と呼ばれるデバイスの新モデルで、超小型ポンプを内蔵したカテーテル装置を心臓の左心室内に留置し、心臓のポンプ機...
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心臓にトラブルがある人はマスクによる低酸素に注意する
ゴールデンウイークが終わり、新型コロナウイルスの感染が再び増加傾向に転じています。オミクロン株は95%近くが無症状だという海外の報告もありますが、何より感染しないことが重要です。感染対策のためにマスクを外せる日は、まだ先になりそうで...
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健康に暮らすための医療関係者おすすめ「ヘルスケア商品」(下)
ゆったり、元気にストレスなしで暮らすために医療関係者から聞いたおすすめ商品を紹介する。(値段は希望価格) ■心電図もとれる家庭用血圧計 血圧と心電図を同時に測れる機器として代表的なものはアップルウオッチだが、今年3月、...
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70歳までに受けておきたい「3つの検査」 血管・脳・睡眠をチェック
後期高齢者といわれる75歳以上になると、体温や血圧などの調節能力、視力や聴力などの感覚器官の機能、全身の筋力が低下し、さまざまな病気にかかりやすくなる。人生100年時代といわれるいま、健康を維持して人生を全うするためには、深刻な病気...
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大統領選挙はストレス大で心臓に悪い? 米国医学誌で報告
米国心理学会が行った2017年の調査によれば、将来に対する漠然とした不安や政治情勢は心理的ストレスの主要な原因であることが報告されています。2020年の調査ではまた、政局を大きく左右する米国大統領選挙も国民に大きなストレスをもたらす...
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心不全に「減塩」は有効なのか 世界的な医学誌が問題提起
塩分をとりすぎると、高血圧や心臓病など、多くの病気のリスクが上がることは間違いありません。水だけをたくさん飲んでも体はむくみませんが、水分と塩分を同時にとると、体に水がたまってむくみが出るのです。塩分が多いと心臓に負担がかかり、血圧...
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新型コロナの後遺症で心臓血管疾患のリスクが大きく上がる
新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向にありますが、まだまだ気は抜けません。一部の地域では第6波のピークを上回っていますし、大型連休を迎えるなど人流が増えることで、感染のリバウンドも予想されます。 現在、感染の中心になって...
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心臓にトラブルがある人は湿布薬を安易に使ってはいけない
ほとんどの人は、肩こりや腰痛で湿布薬を使ったことがあるのではないでしょうか。通院している医療機関で処方してもらえますし、ドラッグストアでも市販品を購入できますから、もっとも身近なクスリといっていいかもしれません。 しかし、手...
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ドナー不足解消の手段として「異種移植」は大いに期待されている
前回、末期の心臓疾患で治療の手だてがなかった57歳の男性にブタの心臓を移植した、米国での「異種移植」についてお話ししました。人体で拒否反応が起こらないよう遺伝子操作して作られたブタの心臓が使われた手術でしたが、残念ながら術後2カ月で...
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全国20カ所以上で活躍「心房細動診断AI」は何が凄いのか
不整脈の中で最も患者数が多く、国内の患者数は推計100万人とされ、診断されていない潜在患者も同程度いるとみられている「心房細動」。 心臓の部屋(心房)が小刻みに震え、血液が停留しがちになるので、血栓が形成されて脳に飛べば重度...
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米国ではブタの心臓を人間に 「異種移植」は長く研究が続けられている
今年1月に米国でブタの心臓を移植した57歳の男性が、2カ月後に亡くなったというニュースが報じられました。 その男性は“末期の心臓疾患”でしたが、人間の心臓移植は不適格と判断され、常に人工心肺装置を装着した状態でした。他に治療...
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舞台上で息が苦しくなって…俳優・松尾貴史さん「肺塞栓症」を振り返る
去年の12月、生まれて初めて舞台に穴をあけました。中止となった長野県と滋賀県の公演チケットをご購入いただいた方に申し訳なく、共演者、スタッフにも多大な迷惑をかけました。 異変は、稽古が始まって間もない10月10日のことでした...
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心臓と認知症との意外な関係 米国医師会の医学誌で報告
心臓と脳はどちらも生きるために必要不可欠な臓器です。そして、その両者は決して無関係ではありません。心臓は血液によって全身に酸素を運ぶポンプで、その血液は脳にも運ばれているからです。 心房細動という不整脈があります。これは心臓...
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自覚症状がない患者に納得して治療を受けてもらうために必要なこと
病気で治療を受けている患者さんは、さまざまな不安を抱えています。心臓手術を受ける患者さんも、当然ながら不安でいっぱいでしょう。 たとえば、手術のために必要な全身麻酔は不安材料のひとつといえます。 私は昨年11月、魚類...
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外科医がカテーテルや内視鏡を使う手術はどんどん進化している
前回お話しした国立成育医療研究センターで実施された国内初となる胎児の大動脈弁狭窄症に対する心臓手術は、妊娠25週の母親の腹部からカテーテルを通して赤ちゃんの心臓まで到達させ、大動脈弁が狭くなっているところでバルーンを広げるというもの...
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眼科編(4)高血圧の人は注意 緑内障と心肥大の意外な関係
年齢を重ねてくると心臓に問題を抱える人が増えてくる。たとえば心肥大だ。心肥大とは文字通り心臓の筋肉が厚くなる症状を言い、心臓の機能が悪い人は大抵この症状を伴う。心肥大になると息切れ、倦怠感、むくみなどを自覚する。放っておくと突然死す...
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脈の乱れは「心房細動」のサイン 知っておきたい5つのリスク
3月9~15日は、心房細動週間だった。推定患者数100万人超の心房細動は不整脈の一種だが、症状や対策を知らない人が多いのでは? 京都府立医科大学循環器内科学不整脈先進医療学講座の妹尾恵太郎講師に心房細動について聞いた。 不整...
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特殊な心筋梗塞「MINOCA」はどんな病気なのか 世界中で注目
去る3月11~13日に神戸で開催された第86回日本循環器学会と共催のアジア太平洋心臓病学会では、「MINOCA(ミノカ)」と呼ばれる“特殊な心筋梗塞”が高い関心を集めたという。いったい、どんな病気なのか。東邦大名誉教授で循環器専門医...
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「胎児」の心臓手術は医師も機材も高い技術が必要になる
2021年7月、母親のお腹の中にいる赤ちゃんの心臓手術が国内で初めて行われ、無事に成功したことが同12月に発表されました。 臨床試験としてこの手術を実施した国立成育医療研究センターによると、赤ちゃんは重症の「大動脈弁狭窄症」...
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アスリートのドーピングで使われる心臓治療薬はいくつもある
3月4日に北京冬季パラリンピックが開幕し熱戦が繰り広げられていますが、先に閉幕した北京冬季五輪では、女子フィギュアスケートのカミラ・ワリエワ選手(ROC=ロシア・オリンピック委員会)のドーピング違反が騒動になりました。 ワリ...
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LOUDNESSドラマー鈴木政行さん 脳梗塞から奇跡の復帰を語る
右半身が麻痺して、ろれつも回らなくなって、なんとかしようとあれこれ考えたけど、どうにもならなかったので「まぁいいや」と水を飲んで一晩寝ました。なので、後遺症がたくさん残っているんです……ただ、普通なら死んでいたかもしれません。 ...
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犬に多い僧帽弁閉鎖不全症の外科手術ができるようになった
前回、心臓疾患が見つかった神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ「タンタン」(26歳・メス)の治療についてお話ししました。パンダに限らず、馬や牛などの大型哺乳類は心房細動を発症しやすい傾向があり、そこから心不全につながるケースも少な...
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パンダの心臓治療では人間と同じ処置が行われている
2021年春、神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ「タンタン」(26歳・メス)が心臓疾患疑いで治療を続けていることが公表されました。一時は観覧が中止されていましたが、現在は条件付きで再開されているとのことです。 報道による...
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スポーツをしている人は「二尖弁」かどうかを確認しておきたい
サッカー選手をはじめ、アスリートが若くして心臓トラブルに見舞われ、中には突然死につながるケースがある。その原因のひとつとして「冠動脈起始異常」が考えられると前回お話ししました。 冠動脈起始異常というのは、心臓に栄養や酸素を送...
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強い抗がん剤は口内炎ができやすい 治療前の口腔ケアが大切
無菌室で闘病を続けている急性白血病の患者Aさん(17歳・女性)は、抗がん剤治療の終了5日後に口唇と歯肉が赤くなり、口内炎がひどくなってきました。下唇を指さして「痛い」と訴えるAさんに、担当医は「食事は流動のしみないものにしたから、頑...
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園子温監督が心筋梗塞を振り返る「もう少し病院が遠かったら死んでいたかも…」
病院に運ばれて間もなく、心肺停止したらしいです。後から聞いた話では1分間ぐらい死んでいたみたい。たぶんその時だと思うけど、黄泉の国っていうのかな、ものすごくきれいな星空のような中にいて、最高に気持ちいい体験をしました。もう少し病院が...
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肉アレルギーがあると心臓が悪くなる? 血管病専門誌に掲載
食物アレルギーというのは、食べ物の中に含まれている、ヒトの体には存在しないタンパク質に対し免疫が反応して起こると考えられています。牛肉や豚肉などの赤身肉の成分は、ヒトのものと大きな差はありません。その理屈でいえば、赤身肉では食物アレ...
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サッカー選手に相次ぐ心臓トラブルの一因は「冠動脈起始異常」の可能性
昨年11月、Jリーグの湘南ベルマーレに所属していたブラジル人MFのオリベイラ選手が、23歳の若さで「うっ血性心不全」により急逝したことが公表され、ファンを驚かせました。うっ血性心不全は、心臓のポンプ機能が急激に弱くなり、全身に血液を...
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1週間の入院生活で感じた「感染対策」と「病院食」の重要性
前回、昨年11月初旬に小腸閉塞を起こして1週間ほど入院した時の体験談をお話ししました。その際、2000年代に入って発展した小腸内視鏡検査とカプセル内視鏡検査を受け、身をもって医療の進歩を感じることができました。 ほかにも、入...
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射精した瞬間にピキッと…笑福亭羽光さん語る「解離性脳動脈瘤」
2019年12月に「解離性脳動脈瘤」を発症し入院しました。脳内の動脈の血管の一部の壁が剥がれ、血流が悪くなって血管がコブのように膨れてしまう病気です。放っておいたら脳梗塞を起こしたりしてしまうそうで、怖い思いをしました。 発...