心臓血管疾患
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高齢者の再手術では術後の「リハビリ」と「食事」が重要
心臓手術の多くは“賞味期限”があります。そのために医療が進歩した現在では、50~70代で最初の手術を受けた人は、80歳前後で再手術が必要になるケースが少なくありません。高齢になると、体力や持病などによってリスクがアップするため再手術...
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月別死亡がアップする…寒い2月は「血管病」に要注意!
気温が低い2月は血管の病気に注意したい。高血圧性の病気、心筋梗塞、心筋症、不整脈などの心臓の病気、くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞などの脳血管の病気で亡くなる人が多くなる。相武台脳神経外科(神奈川県相模原市)の加藤貴弘院長に聞いた。 ...
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人工弁を交換する高齢者の再手術では高い技術が求められる
心臓弁膜症の初回の手術で人工弁を使った弁置換術などを行った場合、高齢になってから「縫合不全」のトラブルが起こり、再手術が必要になるケースがあります。人工弁の経年劣化や、縫合部に使った組織の動脈硬化によって石灰化が進行し、植え付けた人...
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再手術でリスクになる「心房の拡大」は縫い縮めておけば回避できる
これまで、高齢者の心臓の再手術における“ハードル”についてお話ししてきましたが、もうひとつ大きなリスクになるのが心臓の「拡大」や「肥大」です。 そもそも心臓は、「大きい」こと自体がリスクになります。一般的に大人の心臓は左右の...
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高齢者の再手術では「仮性動脈瘤」を処置するケースが多い
近年、主に担当している高齢者の再手術では、前回お話しした癒着のほかにも難度をアップさせるリスクがあります。「仮性動脈瘤」(偽性動脈瘤)と呼ばれる病態です。 動脈硬化が主な原因で生じる真性動脈瘤とは異なり、炎症、外傷、手術、カ...
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高齢者の再手術は初回からの期間が短いと「癒着剥離」の難度が上がる
2020年にいわゆる定年で主任教授を辞し、大学の理事兼特任教授となってから、およそ3年半がたちました。かつてに比べると件数は減りましたが、いまも病院で現役の外科医として手術を続けています。このところ、主に執刀しているのが「高齢者の再...
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75歳以上は要注意!冬の脳梗塞を防ぐための「起床の作法」
脳梗塞は季節を問わず1年中、気をつけるべき病気だが、75歳超の人はとくに冬場は注意したい。「相武台脳神経外科」(神奈川県相模原市)の加藤貴弘院長に話を聞いた。 国立循環器研究センターの研究チームが2015年までの5年間に同セ...
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寒い日に掃除をするなら要注意は…前かがみにしゃがみ込む雑巾がけや庭の手入れ
年末は忙しくて大掃除をし損ねたなんて人や、正月明けは心機一転、家中をピカピカに掃除する! などと気合を入れている人もいるだろう。 しかし、寒い冬の掃除は心臓にとって大敵になる。順天堂大学医学部心臓血管外科特任教授の天野篤氏は...
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心臓病のリスクをアップさせる「超加工食品」について考える
食事・食品と心血管疾患の関係については、これまでも世界中でさまざまな研究が行われています。そうした中で、近年よく目にするのは「超加工食品」というものです。 保存料、人工的なうまみ成分、油脂といったさまざまな添加物が含まれ、糖...
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「塩分」は心臓の健康にとってやはりマイナスといえる
近年、「塩分(ナトリウム)」と心臓血管疾患の関係についてさまざまな議論が交わされています。WHO(世界保健機関)は推奨する1日の塩分摂取量を5グラム未満としていて、米国では5.8グラム未満(高血圧患者などでは3.8グラム未満)となっ...
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冬の朝のウオーキングは心臓が危ない…リスク因子が揃っている
本格的な冬が到来し、全国的に冷え込みも厳しくなってきました。 基本的に「寒さ」は心臓にとって大敵です。気温が低い環境では、人間は血管を縮めて血流を減らし、熱を体外へ逃がさないようにします。血管が縮んで血液が流れにくくなると、...
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たった数分の短い運動でも寿命が延びる? 豪州の研究チームが学術誌で報告
運動不足は、食習慣と並んで生活習慣病のリスクを高めると考えられています。実際、休日などの余暇時間に適度な運動をすることは、心臓病や脳卒中の発生リスクの低下と関連していることが報告されています。 とはいえ、多忙な人にとって貴重...
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収入が低くなると心臓病リスクが高くなる…理由はいくつもある
近年、「収入」と心臓病の関係に関する研究が盛んに行われています。すでに、高収入の人は、低収入の人と比べて平均余命が長いことが報告されていますし、収入が高い人は、低い人と比べて心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のリスクが低いこともわか...
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健康診断で正常でも高血圧という人も… 専門医が勧める「本当の血圧」測定
冬は寒さで全身の血管が収縮するため、血圧が上がりやすい。この時季、押さえておきたい血圧対策のポイントは? 東都クリニック高血圧専門外来の桑島巌医師(循環器内科医)に聞いた。 「血圧、コレステロール、血糖と、動脈硬化に関係する値...
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新たな理論による「血流解析」は心臓治療を進歩させる可能性がある
近年、心臓病の診断・治療の領域で「血流」の研究が進んでいます。 心臓は効率よく全身に血液を送り出すために、心臓内でさまざまな回転する流れ=渦血流を発生させていることがわかっています。心臓になんらかのトラブルがあるとこの血流の...
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生活苦で広がる患者の服薬の間引き、治療の中断…「モーニングサージ」に気をつけろ
生活苦が止まらない。厚労省発表の物価変動の影響を除いた9月の実質賃金は18カ月連続で前年を下回った。年金額も物価の上昇に合わせて来年は2年連続の増額の見通しだが、その一方で、保険料を支払う現役世代の減少や高齢化による「スライド制度」...
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若い女性の心臓病は遺伝的な冠危険因子がリスクを上昇させる
心臓病は、男性と女性で発症数や症状に差が表れる病気だといわれています。年齢によるホルモンバランスの変化、日常における生活習慣の違いなどが関係していると考えられています。 今年5月にも、米国心臓病学会が発行する国際学術誌「Jo...
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突然死の原因になる心房細動は「症状なし」の人が4割いる
健康だと思っていたのにまさか自分が──そんな病気のひとつが心房細動だ。無症状の人が4割との報告もある。 心房細動は、心房が細かく動いてけいれんしている状態で、脈が不規則になる「不整脈」の一種。不整脈にはさまざまな種類があり、...
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「ジェネリック」の急拡大が思わぬ健康被害につながる危険
このところ、全国の医療機関や薬局で深刻な医薬品不足が続いています。咳止め薬、糖尿病治療薬、止血剤、抗うつ薬など、さまざまな薬が入手困難になっていて、処方を断られたという患者さんも少なくないはずです。 こうした医薬品不足の大き...
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血管のことばかり考えていた…歌手の鈴木花純さん下肢静脈瘤の手術を振り返る
「下肢静脈瘤」は、静脈弁(血液を脚から心臓へ戻すための逆流防止弁)の働きが悪くなり、血液が滞り血管が太くなって瘤状に浮き出てしまう病気です。命に関わることはありませんが、長年放置すると皮膚がボロボロになって、瘤が破れて出血することもあ...
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立つと低血圧になる人でも高血圧治療は必要? 米国医師会雑誌に論文掲載
高血圧には動脈硬化を進行させ、心臓病や脳卒中などの病気を増やすリスクがあります。そのため、血圧が高い人は薬を飲んで血圧を下げているのです。しかし、その一方で血圧が低い低血圧にも健康上のリスクがあります。低血圧は転んだり骨折したりする...
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肝臓と心臓の関係…脂肪肝は心臓疾患リスクをアップさせる
近年、飲酒が関係しない脂肪肝「非アルコール性脂肪性肝疾患」(NAFLD)が問題になっています。脂肪肝というのは、肝臓の細胞の5%以上に中性脂肪がたまった病態のことで、飲酒を原因とする「アルコール性脂肪肝」と、飲酒を原因としない「非ア...
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高血圧専門医が教える「絶対に失敗しない減塩法」我慢するのはたった1週間
健康寿命を延ばす上で、減塩は避けて通れない。高血圧の人はもちろん、血圧が正常範囲の人も、塩分の取りすぎは動脈硬化、ひいては脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めるからだ。 一方で、日々の減塩にうんざりしている人、何度やっても失敗して...
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突然死の重大なサイン…危険な「痛み」を見逃してはいけない
「心筋梗塞を発症して治療を受けてから1年後、痛みがある人は死亡リスクが上昇する」という海外の研究について、前回お話ししました。この研究の成果はともかく、そもそも「痛み」というのは心臓病、とりわけ狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患にお...
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4人に1人が該当する心臓の穴「卵円孔」は脳梗塞の原因に…再発予防にチェックすること
脳梗塞の原因となりうる心臓の穴、「卵円孔」をご存じか? 4人に1人に見られるという。卵円孔は、心臓の右心房と左心房の間の小さな隙間のこと。東邦大学医療センター大橋病院循環器内科准教授の原英彦医師が言う。 「卵円孔は胎児の時にで...
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心筋梗塞の発症後に「痛み」があると死亡リスク増…海外調査を考える
心筋梗塞を発症してから1年後、胸痛を含む「痛み」がある人は死亡リスクが上昇する──。今年8月、米国心臓協会雑誌でこんな研究結果が報告されました。 スウェーデンの心疾患データベースで、2004年から13年の間に心筋梗塞を起こし...
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閉塞性肥大型心筋症の新薬は従来治療の問題をまとめて解決する可能性がある
前回、「閉塞性肥大型心筋症」の治療についてお話ししました。全身に血液を送り出している左心室の出口にある心室中隔の筋肉が異常に厚くなり、左心室から血液を送り出す流出路が狭くなってしまう病気です。重症化すると「失神」「心不全」「突然死」...
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過労死を防ぐためには「動脈硬化」の検査を一度は受けたい…1カ月45時間超の残業で発症率アップ
ここ数年、「働き方改革」についての議論が活発だ。2021年に労災認定の基準となる「健康障害に発展する恐れのある時間外労働時間」いわゆる「過労死ライン」が見直されたのも一因だ。労働時間に注意を払うのは大切だが、過労死を防ぐためには「動...
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「閉塞性肥大型心筋症」の手術は合併症に対する注意が欠かせない
「閉塞性肥大型心筋症」という心臓病があります。大動脈とつながり全身に血液を送り出している左心室の出口にある、右心室との隔壁になっている心室中隔の筋肉が異常なほど厚くなり、左心室から血液を送り出す流出路が狭くなって血圧低下を来す病気です...
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「尿」は心臓病の診断・治療の大切なバロメーターになる
健康診断や医療機関での診察で、ほとんどの人は「尿検査」を受けた経験があるのではないでしょうか。尿検査は体への負担が少なく、いちばん手軽な検査といえるかもしれませんが、「病気を発見する入り口」としてじつにさまざまな事柄がわかります。 ...