ウクライナ侵攻
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ウクライナ侵攻から半年「ロシアはウクライナの新聞社を乗っ取りニセ情報を流しています」
今年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、まもなく半年を迎える。最近は現地の報道も減っているが、その裏側では35人超のジャーナリストが亡くなった。現地のメディアや市民生活は今、どうなっているのか。ウクライナ・ジャーナリス...
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高給提示でウクライナに派遣 日常も戦争も“労働移民頼み”のロシアの現実
日本では社会機能を支えるエッセンシャルワーカーの一部を外国人が務めているが、ロシアも事情は同じ。首都を訪れれば、工事現場やカフェ、清掃などで汗を流しているのはいわゆる「白人」ではなく、中央アジアの旧ソ連構成国出身者であることに気づく...
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ロシア兵の奪還目指すプーチン政権の“価値観”…人命軽視も、捕虜は別扱い
「一人の生命は地球より重い」と言ったのは、1977年のダッカ日航機ハイジャック事件で、人質解放のため犯人グループの要求に応じた福田赳夫元首相。ロシアの価値観は、その正反対ではないかとも思える。ウクライナ侵攻で、おびただしい数の自軍の将...
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白衣のプーチンが見舞った“負傷兵”は元気そのもの…戦争中も茶番は続く
白衣のプーチン大統領。ロシアで「天使」と見えるかは別として、ウクライナ人にとっては「悪魔」だろう。モスクワの軍事病院を訪問し、ウクライナ侵攻後初めて「負傷兵」2人を見舞ったのは、5月25日のこと。かぎかっこを付けたのは、2人ともぴん...
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北欧2カ国がNATO加盟申請 ロシアはシュートのつもりが…オウンゴール確定
ロシアによるウクライナ侵攻のさなか、プーチン大統領の「オウンゴール」が早くも確定した。陸や海を隔てて北方にあるフィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)加盟を申請し、承認されてしまった。力で自国の安全を得ようとする暴挙...
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ドンバスにシリア…過去の紛争を足し算した進化なき「ロシアの戦い方」
ウクライナでのロシアの戦い方を簡単に言えば、2014年の東部ドンバス地方の紛争と、15年のシリア軍事介入を「足し算」したようなものだ。 前者は重火器に依存した地上戦、後者は精密誘導兵器か疑わしい巡航ミサイルでの無差別攻撃。ミ...
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ふてぶてしいラブロフ外相 在任18年でもプーチン大統領の最側近ではない
2004年に就任したロシアのラブロフ外相。在任期間の長さに「本人は早く辞めたがっている」とうわさが絶えないが、きっと辞めさせてもらえないのだろう。外交の世界で長らくプーチン大統領の代弁者として君臨。発言はもちろん強硬だが、話がとにか...
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ついに北方領土でも“牙” プーチンの失脚など夢のまた夢
「国益上の領域を明確にした。それは黒海であり、オホーツク海やクリル諸島周辺の海域だ。これらをあらゆる手段で確実に守る」 ロシアのプーチン大統領が7月31日、北西部サンクトペテルブルクで行われた「ロシア海軍の日」を記念する式典で...
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米バイデン政権の次の策は? インフレ封じ込め策はあるのか
日本の課題は円安阻止である。このためには日銀の金融政策の転換に加えて、原発再稼働(貿易収支の改善)、インバウンド需要の取り込み(2019年には3188万人の外国人観光客があり、5兆円の外貨を獲得)が不可欠だ、と主張している。 ...
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国の威信より重いのは国民の命…戦争で奪われた領土は返ってこない
「最後まで戦い抜く」と宣言して国民を総動員し、先の見えない無謀な戦争を続けるリーダー。その姿は、とりわけ日本人にとっては戦前の東条英機を思わせる。 ウクライナのゼレンスキー大統領は、まさにそうではないか? 私たちもかつて、“鬼...
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プーチンに従順な前大統領メドベージェフがSNSで言いたい放題のわけ
ロシアのプーチン大統領の「忠臣」は何人もいるが、ドミトリー・メドベージェフ前大統領(現在は安全保障会議副議長)ほど従順な人間もいないのではないか。憲法が定めた連続3選禁止のため、1回休みのプーチンに代わって大統領に就任。基本的に主人...
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右腕キリエンコは元リベラル派 暗殺された野党指導者の葬儀にサプライズ登場
ウクライナにおけるロシア占領地のキーマンとして前回、セルゲイ・キリエンコ大統領府第1副長官を紹介した。日本で聞き慣れない官職だが、プーチン大統領の右腕として、反政権派の弾圧を含めて内政を統括する要職。大国にとって旧ソ連圏は「内政」だ...
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現代の皇帝プーチンが耳を傾ける側近 キリエンコ第1副長官に存在感
われわれがのぞけないクレムリンの奥の院。世界を翻弄したロシアのプーチン大統領を、制御できる人物はいないものか。今回の有事の中、内部の様子が珍しく伝えられた。地方知事を定期異動させるための2022年9月の統一地方選に関し、シロビキ(軍...
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ロシア内部では不協和音も役人は受け身 ささやかれる後継者は3人いるが…
ロシアのウクライナ侵攻でプーチン大統領の指導力に疑問符がついたとして、外国メディアで「クーデター説」がまことしやかに報じられた。古巣の連邦保安局(FSB)で不満が高まったり、政権高官や新興財閥(オリガルヒ)が抗議の辞任をしたり。追い...
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闇将軍パトルシェフ書記はウクライナ侵攻の共謀者か? 長男は七光りで閣僚に出世
ロシアのプーチン大統領が無理のあるウクライナ侵攻を決め、短期戦には失敗した。トップの判断がまずければ、周囲が全力で阻止していたはずで、やはり共謀者がいたことになる。本連載で側近を何人か挙げたが、この人物に触れないわけにいかない。ニコ...
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「アベノサクラ」の記憶…安倍晋太郎・晋三“親子2代”でロシアに植樹
アベノミクスにアベノマスク。安倍晋三元首相をめぐっては数々の新語が生まれたが、モスクワに「アベノサクラ」とでも言うべき木がある。2013年にプーチン大統領と会うため、日本の首相として10年ぶりにロシアを公式訪問した際、本人が植えた桜...
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戦勝記念日パレードに小さな変化 市民が掲げる親族の遺影パネルに「反戦」のメッセージ
ロシア人にとって第2次大戦の勝利とは何なのか。日本人には「赤の広場」の軍事パレードのイメージが強いが、筆者の抱いた印象は違った。春の到来を祝うように公園で老若男女が愛唱歌「カチューシャ」を口ずさみ、夜には花火。市民の行進もある。涙な...
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外交努力で戦争を回避することはできないのか…ゼレンスキーには3年間の時間があった
毎日新聞6月29日付「記者の目」欄で同紙カイロ支局の真野森作記者が、先輩である伊藤智永専門編集委員の4日付の論考「ゼレンスキー氏は英雄か」に噛み付いているが、私の見立てでは真野が●、伊藤が○である。 伊藤は、ゼレンスキーが戦...
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なぜロシア人の多くはプーチンにだまされたのか? 考えられる「3つのこと」
ナチス・ドイツ総統ヒトラーは遠い過去の人物で、2人目はもう現れないと思っていた。すると目の前にロシアのプーチン大統領が登場。前々から存在感はあったが、ウクライナ侵攻で牙をむき出しにし、国際社会をいや応なく巻き込んだ。未来に繰り返さな...
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IOCバッハ会長がゼンレンスキー大統領と会談 2034年五輪はウクライナで決まりか?
復興アピールの舞台となるか。 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は3日、ウクライナのキーウでゼレンスキー大統領と会談した。 バッハ会長はロシアの侵攻当初に設立した250万ドル(約3億3800万円)のウクライ...
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国際的に孤立するプーチンは「上半身裸の乗馬姿」までG7サミットでネタにされる
ロシアのプーチン大統領が、主要国首脳会議から事実上追放されたのは2014年、クリミア半島併合時のことだった。それから8年後のウクライナ侵攻。そのさなかの先進7カ国(G7)首脳会議は、もはや主要国でない侵略国を糾弾する場と化した。恒例...
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「サハリン2」接収でどうなる天然ガス供給…ロシアの報復が岸田首相の“お膝元”直撃
岸田首相がNATO首脳会議に日本の首相として初参加。対ロシア制裁の強化を確認した直後、プーチン大統領から強烈な“報復措置”だ。 日本企業も出資している液化天然ガス(LNG)開発事業「サハリン2」の資産について、プーチン大統領...
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戦死しても“英雄”にはなれない みんなで勇気を持って「非国民」になろう
安倍元総理は、日本の防衛費を現状の2倍のGDP比2%にしろと発言した。彼に聞きたい──それで戦争になったら、あなたは前線に立てますか? 日本のために死ねますか? ずっと後ろの安全地帯から見ているだけでしょう。実際に戦地で命を懸けるの...
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経済制裁で政権が揺らいだのはプーチンではなく西側という事実
バイデン大統領への支持率が急速に下落している。米国政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の各種世論調査平均では、バイデン大統領への支持率は、政権発足当時の2021年1月末の54.6%に対し、6月24日時点では39.1%。一方、不...
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物価高にも食料危機にも打つ手なし G7の“空しい結束”
「選挙は大事だが、国益のために会議に参加する意味は大変大きい」 「ロシアによるウクライナ侵攻への対応、物価高対策を含む世界経済、そしてインド太平洋などの地域情勢といった課題について率直に議論を行い、G7の結束を示す機会にしたい」...
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東郷和彦氏「世界は『ウクライナの正義』か『一刻も早い和平』かで揺れている」
ロシアのウクライナ侵攻を機に、北欧の伝統的な中立国だったフィンランドとスウェーデンがNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請した。NATOのさらなる拡大は欧州の安全保障環境にどう影響するのか。そして、どうしたら「プーチンの戦争」を...
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ゼレンスキーはウクライナ国民にとって最悪の大統領になるのか
ウクライナ情勢に関する基本構図は明確になった。米国などNATO諸国の武器供与によって、もはやロシア軍がウクライナ全土を支配することはない。他方、米国の提供する武器は防御が主体で、東部で優勢に立ったロシア軍を一掃する武器は与えていない...
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ロ軍のハリコフ再攻勢で戦線拡大…ウ軍は東部要衝で抵抗兵力増強か
一時戦闘が下火になっていたウクライナ北東部ハリコフ州で、ロシア軍が過去数日、激しい空爆を加え再攻勢を強めている。 シネグボフ州知事は21日、ロシア軍の攻撃により同州で15人が死亡したと通信アプリを通じて明らかにした。東部のド...
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ウクライナ侵攻は「西洋と非西洋」の闘い 民主主義はすでに後退を迎えている
ロシアの国土は77%がアジア側だ。そのため西洋の中心から「スラブ民族はアジア人だ」とさげすまれてきた恨みがあり、強烈な対抗心がある。 今回のウクライナ侵攻は「西洋(民主主義国)」と「非西洋(非民主主義国)」の闘いであり、早くから民主...
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ウクライナ問題で米国一極支配崩壊が加速 世界の多くの国は制裁に参加していない
日本のテレビ・新聞の報道を見ると、ウクライナ問題を契機に米国の支配が強化される印象を受ける。確かにスウェーデンやフィンランドがNATO加盟の動きを示し、欧州では米国主導のNATOの支配体制が強化されている。 だが、ウクライナ...