１９７４年９月１１日、兵庫県生まれ。ＰＬ学園高から東洋大に進学し、４年時にアトランタ五輪銀。９６年ドラフト１位で阪神入り。２００３年に首位打者、０５年に球団記録の１４７打点で打点王。１０年にロッテに移籍して１２年に引退。通算１２８４安打、１２２本塁打、５９４打点、打率・２７９。引退後は阪神二軍野手総合コーチ、ロッテ二軍監督、一軍ヘッドコーチを歴任し、６年ぶりに阪神に復帰した２３年から一軍打撃コーチを務め、同年のリーグ優勝、日本一に貢献。昨季限りで退団した。
納会を1次会で退散したら…「何とっとと帰っとんねん！」金本知憲さんにガチ説教された
「今岡！ あれで思い切り走ってたんか？ あの打球でかえってこられんかったら優勝なんかできるか！」と、走塁でアウトになった僕は、金本知憲さんによく怒られた。ただ、遠征先ではよく一緒に飲みに行った。
金本さんから「誰か若いのを呼んでおいて」と僕をはじめ、藤本敦士（現・一軍総合コーチ）や田中秀太（現・一軍内野守備走塁コーチ）らが集められた。
金本さんは若い選手を眺めながら飲むのが好き。球界屈指の酒豪で知られ、何でもいける。中でも無類の焼酎好きで、水やお茶で割ったりはせず、ロックでグビグビ飲む。傍らには生ビール。ワインを飲む時のチェイサー（水）のように、焼酎をロックで飲みながらビールで休憩というわけだ。金本さんはどれだけ飲んでも酔っぱらわない。そんな姿を見たことがない。
金本さんに怒られたのは走塁だけじゃない。年末の球団納会の席での出来事だ。車で参加した僕は一滴も飲まずに1次会が終わった瞬間に退散。すると、道中で僕の携帯電話が鳴った。ある若手選手がこう言うのだ。
「金本さんが呼んでます」
呼んでますって、僕はすでに帰りの車内。金本さんはそんなことは百も承知で、「早く戻ってこい」とご立腹だというのだ。ヤバイな……。僕は気が重かったが、車をUターンさせると、急いで会場に戻った。すると、金本さんは明らかに怒っていた。
「俺の横に座れ！」
「はい」
僕が座ると、金本さんは“強い口調”で語り始めた。
「今岡よ、納会ってのは何のためにある？ おまえ
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