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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ワールドシリーズ7年ぶり高視聴率も…MLB機構が手放しで喜べない複雑事情

公開日: 更新日:

 ワールドシリーズはドジャースが4勝1敗でヤンキースに勝利し、4年ぶり8度目の優勝を決めた。

 勝敗が決した第5戦は今回のシリーズで最も視聴率が高く、FOX、米国のヒスパニック系住民向けのスペイン語放送局FOX Deportes、ストリーミングを合わせて約1860万人が視聴した。また、全5試合の平均視聴率は過去5年間で最高となる6.9%であった。シリーズの平均視聴者数は1581万人で、2017年の1893万人以来、7年ぶりの高い数値を記録し、2010年以降では第4位の人数となった。

 第5戦の終盤では瞬間最大視聴者数となる2127万人が視聴しており、ニューヨークとロサンゼルスという米国の国内メディアにとって最も重要な2つの市場を本拠地とする両球団が43年ぶりに対決したシリーズにふさわしい結果となった。

 このような数字を見るだけなら、長年にわたり低落の傾向が続くワールドシリーズの視聴率や視聴者数が改善の兆しを示しているように思われるかもしれない。

 大谷翔平とアーロン・ジャッジという現在の球界を代表する2人の優れた打者の存在や、球界屈指の観客動員力を持つドジャースとヤンキースという組み合わせが奏功したと考えられるだろう。

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