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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

大物OB2人を起用、再建図るマリナーズの狙い…一部メディアからは「時代錯誤のギャンブル」と批判

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 マリナーズはドジャースに3連敗して貯金がゼロになった8月22日に、サービス監督とデハート打撃コーチを更迭。後任の監督にダン・ウィルソン、打撃コーチにはエドガー・マルティネスを起用する人事を発表した。

 メジャーリーグでは指導者の能力は現役時代の実績と別物とみなされているため、日本のように高名な球団ОBが監督やコーチに就任するケースはほとんどない。今回のマリナーズの人事はそうした潮流の真逆を行くものだ。

 イチローの活躍をテレビで熱心に見ていた方はご記憶と思うが、ウィルソンはマリナーズが最強だった当時、正捕手を務め、E・マルティネスはかつての主砲でマリナーズ一筋の元選手では最初に殿堂入りを果たした大物ОBだ。

 この2人のようなレジェンドがコンビで監督・コーチに就任するのは、久しくなかったことなので、ファンは大喜びだったが、メディアからは驚きの声が上がった。

 通常、シーズン中の監督交代劇では、更迭された監督に代わってベンチコーチか三塁ベースコーチが内部昇格するケースが多い。マリナーズのディポト編成責任者が、そうした定石を踏まず、コーチ経験すらない有力ОBのウィルソンをあえて監督に据える決断をしたのは、従来の投手力と打線のつながりを重視する穏健なチームづくりでは限界があることを悟り、23年前のマリナーズを理想とするチームづくりに方向転換したからだ。

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