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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

五輪とは何かを改めて訴えた本家フランスならではの独創性 メダルの数を叫ぶのは時代遅れに

公開日: 更新日:

 大会3日目、錦織圭は柴原瑛菜と組んだミックスダブルスの初戦勝利にうれしそうで楽しそうだった。

 ミックスは4大大会ではエキシビションだ。オリンピックではわずか16ドローでもシングルスと同じメダル種目……陸上競技では東京大会から男女混合1600メートルリレーが始まり、今大会から男子50キロ競歩に代わって男女混合リレー競歩が実施される。

 ジェンダーフリーに加え競歩の普及が目的、ムキになって勝った負けたを叫ぶのはやぼというものだ。

 マラソンもそうだ。ロンドン大会からの周回コースに逆らって、ベルサイユ宮殿など名所を巡る難コースを採用した。女子マラソンを最終日に回すことで改めて大会テーマを訴え、男子のレース後に同じコースを2万24人の一般ランナーが走る──マラソンのメダル争いは話題になっていない。

 柔道のシード制、バレーボールバドミントンの代表基準に世界ランキングが絡んで、国内に数々の「?」が広がった。スポーツは刻々と変わり、オリンピックに「より皆で」が加わって、中学生のチャンピオンも生まれた。日本最初のオリンピアン金栗四三がマラソンを走ってから112年、メダルの数を叫ぶのは時代遅れになった。

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