池江璃花子は「まだ戻り切っていない。現時点で結果を求めるのは酷」レジェンド松田丈志氏が占う女子競泳

公開日: 更新日:

競泳(池江璃花子 編)

 東京五輪では大橋悠依(28)の金2個に沸いた競泳だが、男子は本多灯(22)の銀1個にとどまった。白血病から復活した池江璃花子(23)、競泳陣最年長ながら自己ベストを更新するベテランの鈴木聡美(33)など注目選手が多い今大会で競泳ニッポンの復権はあるか。五輪4大会に出場して計4個のメダルを獲得した松田丈志氏が占う。今回は【池江編】。

  ◇  ◇  ◇

 みなさん、女子100メートルバタフライに出場する池江に期待していると思います。3月の選考会の準決勝で57秒03をマーク。56秒台目前のタイムで泳ぎましたが、やっと闘病前のタイムの射程圏内に入ったかなという状況です。復帰してからの歩みは本人が想像するよりもかなり遅いのだと思う。本当に時間がかかっていて、まだ戻りきっていない。世界の中での位置でいうと、2018年の自分の記録がやっと射程圏内に入ってきたのであって、記録としてはもう6年前なわけです。世界はそこからさらに進化しているので、「メダルを狙うぞ!」というところまでは来ていない。つまり、個人的な記録と決勝入賞が具体的な目標になるのかなというのが正直なところです。

 五輪の舞台に戻ってきただけでも素晴らしいことで、現時点で結果を求めるのは本人にとっても酷です。ただ、期待するところがあるとすれば、オーストラリアでのトレーニングでどこまで状態を上げていけるか。オーストラリアの環境が璃花子には合っていると思うんです。璃花子の場合、どうしても国内にいると目立つ存在。どこ行っても注目されるから気を使わなきゃいけないけど、海外だと誰も知らない状況の中で、同じチーム内にも世界のトップ選手が集まっている。璃花子が特別速い存在ではない。その中で揉まれるのがおそらく彼女にとっていいと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波