著者のコラム一覧
Ricardo Setyonジャーナリスト

リカルド・セティオン 1963年生まれ。サンパウロ出身。中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材。スポーツジャーナリストに転身し、8カ国語を操りながらブラジルメディア以外にも英「ワールドサッカー」、伊「グエリン・スポルティーボ」など幅広く執筆。BBCのラジオ番組にも出演。98年、02年のW杯期間中にブラジル代表付き広報を務めた。現在もジーコ、ロナウド、ロナウジーニョ、カフー、ドゥンガら大物との親交も厚い。13年コンフェデレーションズカップではFIFA審判団の広報。国内では「ワールドサッカーダイジェスト」「スポルティーバ」などでコラムを執筆中。ブラジルのマッケンジー大、パナマのパナマ大、イスラエルのハイファ大などでスポーツマネージメントの講義を行う。自他ともに認める「サッカークレージー」。

サーフィン「タヒチ開催」への疑問…「海中の審判塔建設計画」に世界中から猛反発

公開日: 更新日:

 ただ、タヒチの人はあまり快く思っちゃいない。タヒチはフランス領でもフランスじゃないからね。独自の国旗もあれば、大統領だっている。なにより、彼らが怒っているのは、五輪委員会がタヒチをまるでリスペクトしていない点なんだ。

■選手はクルーズ船で寝起き

 会場となるタヒチのチョープーは、サーファーの聖地だ。でも土地の人は自然を大切にしていて、サーフスポットにありがちな開発もされていない。サーフショップさえないんだ。五輪委員会はそこに五輪のための新しい道や建物を造ろうとした。

 特に問題となったのが、海中からそびえる審判塔だ。150平方メートルのアルミ製で、土台設置のため、サンゴ礁130カ所以上にドリルで穴をあけなくちゃいけない。専門家は「サンゴの白化を加速させ、取り返しのつかないことになる」と警鐘を鳴らし、サーファーたちは「この塔のせいで波が変わってしまう」と懸念。地元の人たちにとって、この海は大事な漁場であり、神聖な場所なんだ。

 パリ五輪は持続の可能性を掲げているが、かの地の自然や伝統は考えていないみたいだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  3. 3

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  4. 4

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    高橋真麻がフジ港浩一前社長、大多亮元専務を擁護の赤っ恥…容姿端麗な女性集めた“港会”の実態知らず?

  2. 7

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  3. 8

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 9

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  5. 10

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?