著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

中学卒業前に渡仏しパリSGの入団テストに合格も…3カ月の短期留学が海外志向をかき立てた

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 実は、この留学はパリSGへの入団テストだった。本人も周囲も知らなかったが、最終的にオファーが届いた。が、父には「まず勉強することが大事」という強い信念があり、パリに残ることを許さなかった。

 結局、鹿実に行くことになったが、貴重な体験が松井の海外志向をかき立てたのは事実だろう。

■鹿実2年夏休みに下宿先から逃げ出した

 鹿実での3年間は一筋縄ではいかなかった。

 ドリブルに強いこだわりを持ち、時にエゴを出し過ぎては松澤総監督に怒鳴られた。猛烈な走りの練習を課され、心身ともに限界寸前だった。

 鬱憤が積もりに積もった高2の夏休み。松井は下宿先である松澤総監督の家を出て、黙って京都の実家に戻ってしまったのだ。

「自分の部屋で寝かせてくれ」と母・美幸さんに言うと、そのまま倒れ込むようにして眠ってしまったという。

「でも、父は許さなかった。僕を叩き起こし、その日のうちに鹿児島へ連れて行き、一緒に松澤先生におわびしました。『可愛い子には旅をさせよ』と言いますけど、当時の父はそんな心境だったんでしょうね。2人の息子の親になった今、何となく分かります」と神妙な面持ちで言う。

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