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春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

世界アンチドーピング機関巻き込み米中の争いが表面化する…いまだくすぶる東京五輪の火種

公開日: 更新日:

 パリ五輪間近、予選会が佳境の中、国際スポーツ界はドーピング問題で大騒ぎである。

 発端は、東京五輪開催を控えた2021年の初頭、国内大会に参加した中国競泳選手23人からドーピング陽性反応が出たことだ。これを世界アンチドーピング機関(WADA)が不問としたことが今年4月に報道され、米国アンチドーピング機関(USADA)がWADAの責任を追及しているのである。

 陽性反応はトリメタジジンへのもので、これを服用すれば血流増加、持久力増強、早期回復の可能性がある。資格停止とならなかった中国選手が東京五輪で金メダル3個を含む活躍をしたのは薬物のおかげだとUSADAは言いたいのだが、WADAは同29日にファクトシートを発表。中国アンチドーピング機関がコロナ禍でもきちんと調査を行い、宿泊先の厨房で発見された汚染物質の摂取が原因との報告を提出し、WADAが選手に過失はないことを許諾した経緯をつづった。

 この報告に噛みついたUSADAは16ページにわたる反論を提示。難解であったが、要約すれば、「コロナ禍といえども陽性反応が出たら暫定的資格停止処分を科すべきで、調査資料を公表すべきである。規則を怠ったWADAは何かを隠蔽している」というものだ。

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