侍Jを世界一に導いた栗山監督から送られてきた 筆で書かれた手紙の中身
自宅に1通の手紙が届いた。今月2日のことだ。日付は5月30日とある。差出人は3月のWBCを制し、任期満了で5月末に退任した侍ジャパンの栗山英樹監督からだ。
今年1月に放送されたテレビ朝日系「GET SPORTS」で栗山監督と対談した。私が質問される形で「小倉ノート」といわれる20年間で400枚以上は作成したデータ分析に興味を持ってくれたようだ。打者の特徴から打球の方向まで細かく記しているため、「打者のどこを見れば分かるんですか?」と聞かれた。
栗山監督は紙も見ずに20近い質問をぶつけてきた。最近、全国の高校に臨時コーチとして指導に行くと、選手どころか、指導者からも質問をされない。しっかり消化できないと疑問も湧かないのだ。上から目線になって恐縮だが、その点、栗山監督はさすがである。
「スペシャリストを入れるなら?」と聞かれたので「守備要員は打球が飛ばない可能性がある。でも、脚の場合は絶対」と答えると、「脚の方が先なんですね」とうなずいていた。「絶対的な走力」が武器の周東佑京(ソフトバンク)は、準決勝のメキシコ戦で逆転サヨナラ勝ちの走者となった。