松坂大輔が高校入学早々にわずか5球でマスターした「スライダー」の投げ方を公開する
投手は一にも二にもコントロールである。高校生なら、まずは内外角と高低を狙って投げられるようにする。よく「低めに投げろ」と言うが、配球においては、高めも重要。ストライクゾーンである胸のマークからアゴの下あたり、つまりボール2、3個分高めのボール球を1球は「見せ球」にして打者のアゴを上げておく。そうすれば、決め球の低めの変化球が効いてくる。低めばかりだと、打者の目付けが低くなっているため、見極められる可能性が高くなる。
高校で活躍したいなら、まず狙ったところに直球を投げられること。2つ目は変化球でストライクが取れること。3つ目は決め球となる別の変化球があれば、なおいい。
変化球の習得は次の段階だ。
高校生の入門編は、投げ方が簡単なスライダーが一般的。基本は「ツーシーム」の握りで、中指は縫い目の少し内側、人さし指は縫い目にかけるのが基本。中指を縫い目にかければ、曲がり幅が大きくなる。力の入れ具合は「中指6、人さし指4」だ。
以前、これを横浜高に入学したばかりの松坂大輔に教えたら、4、5球を投げただけでマスターしてしまった。指先の器用さに驚いた半面、直球は狙ったところに全く行かないノーコンぶり。「これは難しいかもしれない」と感じたのが1年時の話だ。