元川悦子
著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

原口元気の父・一さんがエール「もっと強気な自分を出してやんちゃなプレーでゴールを」

公開日: 更新日:

原口元気(31歳・ドイツ1部/ウニオン・ベルリン)

 11月1日に2022年カタールW杯の日本代表メンバー26人が発表される。そこに滑り込み、本番の舞台に立てるか否か──。ハラハラしているのは選手本人だけではない。家族も落ち着かない日々を過ごしている。18年ロシアW杯の決勝トーナメント1回戦・ベルギー戦(ロストフ)で先制点を挙げた原口の父、動物病院経営者で大学までサッカー経験のある一さんもそのひとり。「4年前に『ロストフの悲劇』を現地で見た時は脱力感でいっぱいでした。カタールでは、息子に完全燃焼してほしいと思います」と熱いエールを送る一さんに聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ──ロシアW杯から4年以上が経過した。

「ロシアには妻(玲子さん)、娘(野恵瑠さん)と家族ツアーで観戦に行きました。初戦のコロンビア戦の前にモスクワに入り、(試合会場の)サランスクに行く前に湖のあるリゾートに宿泊。岡崎慎司選手(シントトロイデン)の兄・嵩弘さんたちとロシア人のチームとサッカーの試合をしたことがいい思い出です。お兄さんが、弟さながらのオーバーヘッドのジャンピングボレーを決めたんですが、アシストは私でした(笑)。試合にも勝ったし、いい前哨戦になりました」

 ──コロンビア戦は?

昌子源選手(ガンバ大阪)のご家族と(スタンドの席が)隣になり、サッカー経験者のお母さん(直美さん)が『ラインを上げろ!』と熱くなっている様子が印象的でしたね。お父さん(力さん=元姫路独協大サッカー部監督。チェント・クオーレ・ハリマ取締役兼COD)は恐縮されていました。2-1で勝利して安堵した後、代表キャンプ地のカザンへ行って元気と会いましたが、心からホッとした顔をしていた。嫁(るりこさん)と2人にしてあげたいと思い、我々はカザン・クレムリンへ観光へ行きました」

 ──セネガル戦とポーランド戦は?

「エカテリンブルクはいい街でしたね。山口蛍選手(神戸)、香川真司選手(シントトロイデン)のご家族と食事をする機会にも恵まれました。ボルゴグラードは、ホテルにドライヤーが1台しかないような酷いホテルでしたね。蚊も凄かった(苦笑)。それでも日本のベスト16進出が決まったのは良かったです」

 ──ベルギー戦はロシア西部のロストフだった。

「娘は帰国して妻と2人で残りました。大半の(代表選手の)家族も帰りましたが、蛍君のお父さんやオカちゃんの兄さんも残っていましたね。バス移動が本当に大変でした。ボルゴグラードからロストフまで約10時間もかかって心底、疲れましたね(苦笑)」

 ──試合は?

「もちろんスタジアムで見ました。前半の0-0はプラン通りで『後半勝負だ』と思ったら、開始早々の3分に元気の先制点が生まれた。実は私の好きなゴールじゃなかったんです(苦笑)。柴崎岳選手(レガネス)のタテパスを受けた瞬間、CBの前に体を入れて(相手GKと)1対1になって流し込む形が頭に浮かびましたからね。それなのに本人は止まってフェイクを入れたじゃないですか。『バカやろう、おまえ』と思ったら『あれ、入った』という感じでした(笑)」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    ジャニー喜多川氏の性加害を暴いた“禁断の書”の中身…超人気アイドルが「ジャニーさんが、ジャニーさんが…」

    ジャニー喜多川氏の性加害を暴いた“禁断の書”の中身…超人気アイドルが「ジャニーさんが、ジャニーさんが…」

  3. 3
    梅宮辰夫は立候補…カルーセル麻紀の処女を奪った男の真相

    梅宮辰夫は立候補…カルーセル麻紀の処女を奪った男の真相

  4. 4
    山川穂高謹慎で電撃トレードの現実味…ジリ貧の西武が狙う巨人、阪神の“野手5人”の名前

    山川穂高謹慎で電撃トレードの現実味…ジリ貧の西武が狙う巨人、阪神の“野手5人”の名前

  5. 5
    嵐はジュリー社長の“オキニ”、櫻井翔は秘蔵っ子的存在…「性加害問題」遅すぎた釈明の深層

    嵐はジュリー社長の“オキニ”、櫻井翔は秘蔵っ子的存在…「性加害問題」遅すぎた釈明の深層

  1. 6
    タッキー社長の本格始動に“勝機と商機”あり 大手レコード会社から2組デビューで滑り出し上々

    タッキー社長の本格始動に“勝機と商機”あり 大手レコード会社から2組デビューで滑り出し上々

  2. 7
    北公次は性被害とアイドルからの凋落で壊れていった…ジャニー喜多川氏からは花輪も届かず

    北公次は性被害とアイドルからの凋落で壊れていった…ジャニー喜多川氏からは花輪も届かず

  3. 8
    「松本人志オワコン説」は本当か? ケンコバの元相方が長年の“悪しき慣習”を痛烈批判

    「松本人志オワコン説」は本当か? ケンコバの元相方が長年の“悪しき慣習”を痛烈批判

  4. 9
    市川猿之助はジャニー喜多川と同じだったのか、それとも伊丹十三か?

    市川猿之助はジャニー喜多川と同じだったのか、それとも伊丹十三か?

  5. 10
    中田敦彦に松本人志を批判する資格はあるのか? 関係者から失笑&総スカンされるワケ

    中田敦彦に松本人志を批判する資格はあるのか? 関係者から失笑&総スカンされるワケ