プロレスラー力さん語る 生まれる18年前に他界した祖父・力道山と息子2人のスリーショット

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百田力さん(プロレスラー・40歳)

 力道山の孫で、プロレスラー百田光雄さんの息子の力さんは30代でデビューしてプロレスラー生活10年目を迎える。秘蔵写真は祖父、若かりし頃の力道山と幼い父。懐かしい話をうかがうと厳しい祖父とフレンドリーな父。父子は正反対のタイプだったという。

 ◇  ◇  ◇

 祖父の写真は僕が子供の頃からたくさんありました。この写真は父に確認したところ、小学校1年くらいといいますから65年は前だと思います。昭和30年くらいでしょうか。場所は日本プロレス道場。ヘッドロックしているのが父で、されているのが兄の故・百田義浩。僕の伯父は早くに亡くなってしまったのです。

 祖父は僕が生まれる18年ほど前に他界。祖父が力道山であることは小学生の時にはわかっていました。祖父と親しかった方から「君は力道山の孫だ」と言われていましたし、百田という名字が珍しかったからか、近所の高齢の方から「力道山さんのお孫さんかな」とよく聞かれました。

 僕がレスラーになろうと思ったのは父の影響でした。試合をしている時の父はとても楽しそうでしたから。

 父は、僕をトレーニングしてくれた時期は厳しかったですよ。プロレスは受け身をひとつ誤ったら命の危険に関わるスポーツ。ですから、練習中の父は自分の身は自分で守ってほしい気持ちから「なんでこんなこともできないんだ!」と厳しい態度でした。

祖父は厳しくて怖い人だった

 日常生活ではむしろ一般家庭の父親よりやさしかったと思います。昔から共通の趣味が多くて「スター・ウォーズ」を一緒に見たりゲームのドラクエの話をしたりと、気が合うんです。プロレスでは師匠だから厳しいけど、プライベートはずっとフレンドリー。

 それは祖父の影響が強かったそうです。父から聞かされた祖父は厳しくて怖い父。今だと問題があるでしょうけど、勉強ができなくても殴られる、運動ができなくても殴られる、マナーが悪くても同じ。強くて頭がよくてマナーもよくて人前に出ても恥ずかしくない男になってほしかったらしいです。

 祖父は徹底的に厳しくできる人だったけど、父は子供の僕にそこまで厳しくはできない。だから「中途半端に厳しくするより仲のいい親子になりたいと思った」と、フレンドリーな父親を目指したみたいです。

 僕はデビューが13年の「力道山没50年追悼記念興行」。父と親子タッグを組みました。2人で写っている写真はその時の撮影です。僕は祖父のようになれるとは思わずに、祖父の名前を傷つけないように頑張ろうと思いました。父は僕のデビュー後しばらくは試合会場の隅からのぞいたりして「今日の試合はここがダメだったぞ」「こうした方がいい」とアドバイスをくれました。

 試合中、客席から「チカラ!」「チカラ!」と声援をくれると文字通り力になります。往年のプロレスファンやおじいちゃんたちからは「君のおじいちゃんの試合はみんな街頭テレビで見ていたんだよ」と言われることが多いですね。僕はプロレスとは別にスポーツクラブで働いていますが、そこに通われているご高齢のお客さまからも祖父の話をよくうかがいます。ジムに通われてる高齢者さんはみなさまお元気ですよ。

■親子で同じ年齢でベルトをつかみたい

 父は去年、末期の肺がんが見つかり、1カ月ももたない状態だったのですが、あらゆる治療を経てレントゲンではがんがあるかないかわからない状態まで回復いたしました。父が長年鍛えてきた蓄えもあったでしょう。

 祖父が戦後の日本に勇気を与えたような感じで父が末期がんから回復した時にはがんと闘っておられる方や、親御さんががんになってしまった方からSNSを通じて「勇気をもらいました」とメッセージをたくさんいただきました。

 父は10代デビューですが、遅咲きで40歳にして初めてチャンピオンベルト(世界ジュニアヘビー級)を巻いたんです。30代デビューの僕は10年目の今40歳なので、父のような大きなタイトルのベルトを巻くのが目標。親子で同じ年齢でベルトをつかみたい。それで今後も祖父の名を傷つけないよう頑張ります。 (聞き手=松野大介)

▽百田力(ももた・ちから) 1981年10月生まれ。2013年に「力」のリングネームでプロレスラーデビュー。数々の団体で活躍。父、百田光雄とのタッグでは東京インターコンチネンタルタッグ王座を獲得。

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