オリックス選手が明かす1995年日本シリーズ秘話 野田浩司氏・馬場敏史氏

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幻に終わった第5戦先発と盗聴疑惑

 20日、1995年以来、26年ぶりとなるヤクルト対オリックスの日本シリーズが開幕する。ヤクルト・野村克也監督の「ID野球」が、絶好調だったオリックス・イチローをいかに封じるかに注目が集まった。ヤクルトが4勝1敗で制した当時の日本シリーズに出場した選手たちが秘話を明かした。

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 ◇  ◇  ◇

■野田浩司氏(元オリックス・投手)

 1995年1月に発生した阪神・淡路大震災の年、リーグ優勝をして臨んだシリーズだけに思い出深い。

 その年、私は10勝(7敗)で、阪神時代からヤクルトに強かったこともあって、自信を持って第2戦のマウンドに上がった。7回と3分の2を投げて2失点。終盤に逆転負けを喫したが、私はリードしている状態でマウンドを降りたため、打たれた感じはなかった。次の登板は中2日で第4戦、4番手として3分の1回をリリーフした。

 オリックス3連敗の後、一矢を報いて1勝3敗とした第4戦の試合後、私は悶々としていた。神宮球場から浅草の宿舎に向かう帰りのバスや食事会場で、明日第5戦の先発を山田久志投手コーチに直訴しようかと悩んでいたからだ。

 第5戦の先発は誰か--。戦前からチームの懸案事項だった。その年7勝6敗だった6年目の高橋功一に決まっていたが、すでに王手をかけられていて負けたら終わりの状況。私は第2戦の先発の後、チームが3連敗したため、後がなくなった第4戦、第5戦はリリーフ要員としてベンチに入った。それなら第5戦の先発でもいいだろうと思った。

 オリックスに移籍して17勝、12勝、そして95年は10勝。ちょうど乗っていた頃でもあった。しかし、私は迷った末、直訴はしなかった。勝てれば日本シリーズはまだ続くし、最終の第7戦に先発する可能性もあった。それに、若手の功一のチャンスをフイにしては申し訳ないという気持ちが勝った。結局、功一は3回途中2失点。私は4番手として2回を無失点で切り抜けたものの、試合は1-3で敗れ、シリーズは終わった。

 当時のオリックスには、現役最終年の岡田彰布さんが在籍していた。長くセ・リーグの阪神で戦っているだけに「ヤクルトのデータ野球は他とはちゃうで。強敵やぞ」と怖さを語っていた。敵地・神宮で戦った第3戦から第5戦までは「聞かれているかもしれん。クラブハウスでは話すな」と言われたが、「まさか! 大丈夫ですよ。勝てますって」と「野村ID野球」に対し、オリックスナインはまだピンときていなかった。しかし、終わってみれば力の差を感じたシリーズだった。

「小林-オマリーの14球」肌で感じた気迫

■馬場敏史氏(元オリックス・三塁手)

 阪神・淡路大震災が起きた1995年は、「がんばろうKOBE」を合言葉にリーグ優勝でき、本当にうれしかったですね。

 シリーズは1勝しかできませんでしたが、うち3試合が2点差以内の接戦。勝てたゲームもあったはずで、悔しい思いをしました。

 印象深い場面を一つ挙げるなら、神宮での第4戦の小林宏(現二軍監督)とオマリーとの対戦。いわゆる「小林、オマリーの14球」です。

 1-1で迎えた延長十一回裏。1死一、二塁で4番・オマリーを迎え、小林がマウンドへ。このシリーズ、オマリーは大当たりで(この打席まで13打数7安打)、第2戦では延長十一回に決勝本塁打を浴びた。走者一、三塁であれば、守りやすくするためにオマリーを歩かせる手もあったでしょうが、三塁を守りながら一球一球に緊張が走ります。大きいのを打たれなければ……という不安が頭をよぎったり、四球ならまだわからないぞと自分に言い聞かせたりしてました。

 小林-中嶋(現一軍監督)のバッテリーは、気迫を前面に出し、攻め立てました。2球で2ストライクに追い込むと、これでもかと言わんばかりに速球を投げ込む。14球中8球がファウル。7球目にオマリーが右翼ポール際に大飛球を放った際はヒヤリとしましたが、14球目に低めの速球で空振り三振。絶体絶命のピンチを切り抜けたバッテリーの姿に、奮い立ちました。対決は12分強にも及びましたが、緊張状態にあったせいか、長いとは感じなかったですね。

 オリックスには25年前の借りを返してほしいと思う半面、97年以降は選手、コーチとしてヤクルトにお世話になりましたから、複雑な気持ちですね(笑い)。

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