西武1位・隅田知一郎が少年時代にグラウンドでぶっ倒れた意外な理由

公開日: 更新日:

隅田知一郎(投手・22歳・西日本工大)=西武1位

 隅田を指導した長崎県大村市の少年野球チーム「大村クラブ」の橋口博監督にはひとつ、印象深い思い出がある。

「ある日、隅田がグラウンドで突然、倒れたんですよ。彼はとにかく野球が好きで好きで、誰よりも早く練習に来て、誰よりも遅く帰る子。それが倒れたものだから何があったのかと思ったら……朝ごはんを食べないでグラウンドに来ていたというのだから驚くやら、呆れるやらです(笑い)」

 相撲の朝稽古でもあるまいに、小学生が空腹のまま練習するのは健康に良いわけがない。橋口監督は隅田の両親に、「ちゃんとご飯を食べさせてから来るようにお願いします」と“指導”したが、隅田家には隅田家の事情があった。

 隅田は父・弘之さん(70)、母・悦子さん(52)、弟(21)、妹(18)の5人家族。弘之さんはバスの運転手をしており、朝早く、夜も遅い。悦子さんは介護職のため、夜勤があった場合は子供たちの食事を作ることができない。

 悦子さんが言う。

「そうした事情があるので、子供たちには炊飯器でご飯を炊くことを真っ先に教えました。お米があれば、卵やふりかけで朝ごはんを食べられますから。でも、知一郎は弟の手を引っ張って何も食べずに飛び出して……。倒れた後? 少しは食べてから行くようにはなりましたけど(笑い)」

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