1年生の松坂大輔を夏の甲子園に帯同させたことが逆効果になったワケ
今夏の甲子園で4強入りした京都国際(京都1位)が近畿大会の準々決勝で和歌山東(和歌山2位)に競り負け、来春のセンバツ出場は当落線上となった。県大会準決勝で敗れた智弁和歌山に続き、近畿大会1回戦で敗れた智弁学園(奈良1位)、同じく8強の近江(滋賀3位)と今夏の甲子園4強校が全て当確ランプをともせずに敗退した。
京都国際を4強に導いた2年生エース左腕の森下は先発せず、1―3となった六回から2番手として登板するも2―3で敗れた。
監督が次戦のことを考えてエースを温存。しかし、先行されて苦しくなり、慌ててエースを投入するが、追う側は焦りから凡ミスが出る。さらに、いい当たりが正面をつく。相手側にファインプレーが出る。これがお決まりのパターンだ。実力は上でも、相手に主導権を握られると、なかなか奪い返せないのが高校生なのだ。
夏の甲子園で勝ち上がると、新チームの始動が遅くなり、秋の大会に影響する。夏の間、有望な1、2年生をどう練習させるかは難しい問題である。先日、西武で引退した松坂大輔が横浜高の1年生だった頃を思い出す。出場した夏の甲子園に特別に帯同させた。ベンチ入りはしていないし、新チームを見据えたからでもない。将来、プロに入れるため、私の目が届くところで練習をさせたかったからだ。当時は太り気味だったため、体を絞ることも目的だったが、宿舎の食事がうまかった上、1年生は2、3年生が残したものを食べる「残飯整理」をしなければならない。逆に太ってしまったというオチがある。