菅野「巨人残留」は裏目? 元OB投手2人が挙げる多くの懸念

公開日: 更新日:

 ポスティングシステムでメジャー移籍を目指したものの、巨人残留が決まった菅野智之(31)。山口オーナーは「感謝します」と最敬礼し、原監督も「一緒に戦えることをうれしく、頼もしく感じています。監督としては最高の形」と喜んだ。

 9日に帰国した菅野は10日のオンライン取材で、メジャー球団との交渉は「100%自分で納得できるものではなかった」と残留を決断した経緯を説明。「気持ちは今季の日本一に向いている。向こうに行けなかった悔しさはゼロではない。今から自分の中で燃えるものがある」とし、今季の目標を「20勝」に設定した。

■難しいモチベーションの維持

 昨季は史上初の開幕戦から13連勝をマークし、最多勝(14勝)、最高勝率(・875)のタイトルを獲得しているが、今季はさらに高い数字を設定した。東京五輪については「チャンスをもらえた。結果としてチャレンジできるというのは、自分にとってプラス。そもそも去年、東京五輪があったらと考えると、そこを目標にしていた自分がいた。また新たに目標ができたのは大きい」と誓った。巨人OBで元投手コーチの中村稔氏がこう言う。

「昨年は投球フォームを改造し、好成績を収めた。大きな変化を恐れずに開幕からエンジン全開で飛ばしたことが奏功した。球団にポスティング移籍を認めてもらうためというモチベーションによるものでしょう。ただ、開幕13連勝のような成績を2年続けるのは簡単ではない。燃え尽き症候群とまでは言わないが、飛ばした翌年に反動があるのも投手の難しさ。モチベーションが維持できるか心配です。練習量が多い菅野が、メジャー球団との交渉のため、このオフはあまり練習ができていないのも懸念材料です」

 菅野はメジャー30球団の中でも「優勝争いができる球団」への入団を希望していたという。これはヤンキースやドジャースとされるが、そんな名門から満足のいくオファーは届かなかった。

 もし菅野が来年2022年に渡米するなら、メジャー挑戦は33歳を迎えるシーズン。メジャーでは投手、野手ともに35歳にかかる選手との契約を敬遠する傾向にある。年齢的な衰えから故障のリスクが高まり、著しくパフォーマンスが低下する年齢とされるからだ。年齢を重ねるごとに条件は厳しくなる一方で、スポーツライターの友成那智氏は「20代のうちにメジャーでサイ・ヤング賞や最多勝などのタイトルを受賞した投手でさえ、30代半ばに差し掛かると各球団にされる条件提示はシビアになります」と指摘している。仕切り直し、1年延期……と楽観できる状態ではないだけに、なおさらモチベーションが心配されるのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  2. 2

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  3. 3

    世界戦略を重視する名門ヤンキースが巨人・岡本和真に熱視線!両者は《相思相愛》との情報も

  4. 4

    谷原章介長男の芸能界挑戦で改めて感じる器の大きさ…実父・いしだ壱成と共演の可能性も

  5. 5

    阪神フロントすでに来季組閣に着手 藤川次期監督の「右腕」ヘッドコーチ候補5人の名前

  1. 6

    これが裏金議員50人の選挙区だ! 焦る石破自民「非公認」「比例重複なし」に方針転換も戦況悪化は加速【一覧表あり】

  2. 7

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 8

    次女・石橋静河強し!ドラマ界席巻する“石橋ファミリー”が乗り越えた「21年前の隠し子騒動」

  4. 9

    ジャンポケ斉藤慎二 ロケ車内での性的行為には“常習説”…吉本契約解除は「トカゲの尻尾切り」

  5. 10

    ジャンポケ斉藤慎二 書類送検で「メンバー」呼ばわりに識者が疑問呈す…ピン芸人なら何と報じる?