大坂なおみ抗議は米スポーツ界を動かした 日本はどうだ?

公開日: 更新日:

 ボイコットを撤回して大会に臨んだ元女王が快勝である。

 テニスのウエスタン&サザン(W&S)・オープン(米ニューヨーク)は28日(日本時間29日)、女子シングルス準決勝を行い、世界ランキング10位の大坂なおみ(22)が、同22位のエリス・メルテンス(24=ベルギー)にセットカウント2―0でストレート勝ち。初の決勝進出を決めた。ツアー通算6度目の優勝を目指して29日(同30日)の決勝では同59位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)と顔を合わせる(追記・左太もも裏のけがのため、棄権)。

 大坂は、23日に米国で起きた白人警官による黒人男性への銃撃に抗議して、この準決勝を一度は棄権した。主催者が大会を1日中断したことで、「この抗議行動に多くの注目が集まった」として、一転、出場を決めた。

■天才少女コリ・ガウフと対決

 大坂は週明けの31日(同9月1日)に開幕する4大大会の全米オープン(ニューヨーク)に出場予定。2018年大会以来、2度目の優勝をかけて、1回戦で土居美咲(29)と日本人対決を行い、順当に勝ち上がれば、3回戦では世界50位の天才少女コリ・ガウフ(16)と顔を合わせる。今年1月の全豪オープン3回戦で「金星」を献上し、連覇の望みを絶たれた因縁の相手だ。

 今回の全米オープンは新型コロナウイルスの感染拡大で、トップ選手がこぞって出場を辞退するだけに、大坂にとってはガウフ戦がひとつのヤマ場になる。

 大坂同様、ガウフは黒人の血をひいている。黒人への不当な差別、白人警官による殺害や暴行が社会問題化している中、2人の対戦には俄然、注目が集まる。大坂はかねて人種差別撤廃を強く訴えており、全米女王へ返り咲きを果たせば、その言動はより注目度が増すはずだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態