ドラ1伊藤智仁は「投球美人」名言を生む“非野球人”の発想
「ひまわりと月見草」に代表される、野村監督の表現力は秀逸である。
なぜ、野球人が、こんな名言を繰り出せるのか。原点は、優れた観察力にあったと思う。それを言葉で表現する能力があったからで、ことは野球に限らない。
「投球美人、やな」
1993年、ドラフト1位で入団した伊藤智仁を、ブルペンで一見して野村監督、こう表現した。
■「救世主、東方より来る、やな」
伊藤の投球フォームは華麗と評判があった。腕が長く、テークバックが大きくとられて、腕がムチのようにしなる。ストレートは伸び、スライダーは切れが鋭い。投球フォームは「美しい」「華麗」と評価されたが、それを「美人」と表現する「非野球人」の発想が監督にはあった。