元稲沢市議・中国「麻薬密輸」事件 30年来の友人が語る不可解「極刑となる中国で加担するメリットはない」
「桜木琢磨さんを支援する会」佐々木賢治さん
2013年、中国・広東省の「広州白雲空港」で、覚醒剤約3.3キロを密輸しようとしたとして、愛知県稲沢市の桜木琢磨市議(当時70=写真)が逮捕された。拘束から約9年後の昨年11月25日、中国広東省高級人民法院(高裁)によって麻薬密輸罪に問われ、1審判決の無期懲役を維持する判断を下された。二審制の中国では「確定」となる判決。それでも桜木氏は一貫して無罪を主張しており、不可解な点もある。30年来の友人で「桜木琢磨氏を支援する会」の佐々木賢治氏に聞いた。
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13年当時の報道によると、桜木氏は10月29日、自身の経営する貿易会社の仕事で広州に向かった。稲沢市の行事があった31日には帰国する予定だったが同日午前、「仕事上のトラブルがあった」と市側に欠席を伝えたという。桜木氏は同日夜の中国出国時に薬物所持の疑いで逮捕されている。しかし、中国側から外務省に連絡があったのは11月14日で、報道は翌15日と逮捕から2週間も経っていた。
1審判決などによると、桜木氏はナイジェリア人の男から荷物を運ぶように頼まれ、広州市でマリ人の男を介し、スーツケースを受け取った。マリ人の男からは、「東京にいる妻にスーツケース内の靴のサンプルを渡してほしい」と頼まれたと証言したと報じられている。桜木氏は、空港の安全検査でサンダルの靴底などに隠された覚醒剤が見つかった当初から、「覚醒剤が入っているとは知らず、だまされた」と主張している。