“日大のドン”宅にガサ入れ 疑惑の「日本大学事業部」実態と役割…側近たちがやりたい放題

公開日: 更新日:

「本丸」に強制捜査が入った――。

■病院の建設工事めぐり

 日本大学付属板橋病院の建設工事に関連した契約をめぐって、大学関係者が大学側に損害を与えた疑いがあるとして、東京地検特捜部が8日、背任容疑の関係先に家宅捜索に入った。

 ガサ入れ先は、日大本部(東京都千代田区)、関連会社の「日本大学事業部」(世田谷区)、「日大のドン」といわれる田中英寿理事長の自宅(杉並区)、関連会社役員が所有するマンションの一室。検察が押収した資料を分析し、国内最大規模の大学の事業をめぐる不透明な資金の流れについて実態解明を進めることになる。

「板橋病院は1000床以上の病床を抱える大病院です。建設からすでに50年以上が経ち、老朽化が進んでいる。地震による倒壊の危険性があることから、数年前から建て替えが検討されていた。この病院関連の契約に、日本大学事業部が関わっていました」(捜査事情通)

 日本大学事業部は2010年、日大が100%出資して設立された事業会社で、物品の調達や施設の管理・運営を担っている。法人登記を見ると「医薬品、医療用品の販売」「日用品雑貨、文房具の販売」「旅行業」「洗濯業」「冠婚葬祭業」「美容院の経営」「下宿業」「建物の建設工事」など事業目的は多岐にわたる。

「卒業式の記念品や医学部で使用する実験材料なども一括して調達していました。鉛筆1本から日大の公式グッズ、日大生向けの保険の加入、学生寮の斡旋や管理、清掃から高価な医療機器に至るまで、管轄していた。学内には数百台の自動販売機が設置されていますが、業者と契約交渉をする窓口も事業部です」(日大関係者)

役員には側近たちの名前がズラリ

 民間の信用調査会社などによると、同社の昨年の売り上げは68億円。取締役は7人いる。

 日大常務理事の出村克宣氏(管財・企画広報担当)が社長を務め、同理事の井手達雄氏(人事担当)、大里裕行氏(財務担当)のほか、18年5月の「悪質タックル問題」発生時、学長だった大塚吉兵衛氏(現名誉学長)も、取締役として名を連ねるなど、ドンの側近がズラリ。

「設立時から会社を実質的に取り仕切っていたのが、取締役のひとりの井ノ口忠男元理事です。井ノ口氏は10年以上前、アメフト部の先輩にあたる内田正人元監督の紹介で、田中英寿理事長と会った。以来、田中理事長の覚えがめでたく、まさに懐刀でした。事業部設立のプロジェクト段階から関わり、理事長付相談役として出入り業者に無理難題を吹っ掛けるなど、やりたい放題だった。その結果、売り上げを伸ばし、評議員になったばかりだった17年、理事長に功績を認められ、理事に抜擢されました」(日大関係者)

 ドンは18年8月、大学HPで「アメフト問題」について謝罪文を掲載して以来、沈黙を続け、理事長の座にしがみついているが、一気に事態が動きそうだ。

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