著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「第2次世界大戦と原爆」(48)秘密工場とロケット特攻、軍部の断末魔

公開日: 更新日:
英文の張り紙が付いた潜水艦用救急再圧治療装置の部品。三菱重工長崎造船所太田尾工場では特攻兵器の小型潜航艇「蛟竜」を建造していた(C)共同通信社

 広島、長崎への原爆投下は、結果的には日本に敗戦の現実を教えた。むろん本土決戦に固執する日本の軍部は、こういう兵器を前にしても敗戦を認めず、ひたすら聖戦遂行を口走り、その思いを他の集団にぶつけていた。このような状況で、確かに原子物理学者の中にも「戦況をひっくり返すような兵器など日… 

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