「トランプ劇場」第2幕…軍事力で領土を脅し取る歴史の亡霊「帝国主義」がよみがえる

公開日: 更新日:

 冷戦期の1946年には、1億ドル相当の金塊と交換する秘密提案をデンマークに行った。第1次トランプ政権も買収に意欲を示したが、「ばかげた提案」と一蹴された。

 今回は本気度が高い。グリーンランドでは4月上旬までに自治政府議会選が予定され、独立が主要争点だ。豊かな米国の一部になれという誘いは、独立派を有利にするという打算が成り立つ。

 事実上の選挙介入に加え、トランプは買収目的について「米国の安全保障に必要だからだ」と言い放った。自国利益のため、北大西洋条約機構(NATO)同盟国にも容赦なく主権放棄を迫った。軍事力で領土を脅し取る歴史の亡霊、帝国主義がよみがえろうとしているのだ。

 デンマークが加盟する欧州連合(EU)主要国のフランスは「EU(加盟国)領土への攻撃を容認しない」と警戒をあらわに。ドイツも「国境不可侵の原則は平和秩序の基礎だ」と、ウクライナに侵攻したロシアと米国を重ねて痛烈に批判した。

■ばかげた要求にはNOを突きつけないと

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  2. 2

    【動画あり】イケイケ国民民主党に“パワハラ問題”噴出!女性衆院議員からの罵倒叱責で体調不良に…4人も離党の異常事態

  3. 3

    「石破降ろし」加速へ…10万円商品券配布バレ、深夜の公邸会見で記者にネチネチ逆質問の完全墓穴

  4. 4

    石破首相のトンデモ持論「退職金増税」に自民議員真っ青…国会で課税見直し“明言”、参院選の争点化待ったなし

  5. 5

    杉田水脈氏が自民党大会に出没、報道陣に本音ブチまけ 裏金問題に「説明を求められていないので」と反省ゼロ

  1. 6

    立ち往生する石破政権に旧安倍派が大暴れ…“歩くヘイト”杉田水脈氏頼みで自民党は衰退の一途

  2. 7

    国民とズレまくる石破首相の政治感覚…進めるのは「国民に受けないこと」ばかり、差別主義者の参院候補は満面の笑みでお出迎え

  3. 8

    膨張するカウンターに萎縮し大好きな選挙が苦行に…渋谷のマイク納めは中止

  4. 9

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  5. 10

    財務省に操られる立憲執行部はもはや「国民の敵」…党内に2つ目「消費減税」勉強会発足も馬耳東風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  2. 2

    母・辻希美の光る危機管理センス…希空が大手芸能プロ入りしなかった“七光り批判”回避以外の大人の事情

  3. 3

    J1に異変!2連覇の神戸が開幕から5戦未勝利「3つの元凶」…選手間にはフロント幹部への不信感も広がる

  4. 4

    「石破降ろし」加速へ…10万円商品券配布バレ、深夜の公邸会見で記者にネチネチ逆質問の完全墓穴

  5. 5

    キャバクラ通い朝乃山 厳罰招いたウソと大関復帰の可能性

  1. 6

    コシノジュンコそっくり? NHK朝ドラ「カーネーション」で演じた川崎亜沙美は岸和田で母に

  2. 7

    ナベプロが新たな柱に社運をかけた状況で、ジュリーの立場は息苦しく…

  3. 8

    大阪万博パビリオン建設は“24時間体制”に…元請けの「3月中には完成させろ!」で危惧される突貫工事の過酷労働

  4. 9

    公共施設へのスターバックス出店に相次ぐ疑問…愛知県津島市では激安賃料への批判も

  5. 10

    大阪万博まで1カ月で異常事態! リングの盛り土ボロボロ削れ浸水被害の恐れ…識者は台風や高潮を危惧