著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

金儲けのために女性や子どもの生き肝を取った男

公開日: 更新日:
日露戦争凱旋記念花電車(東京・銀座、明治38=1905=年~明治39=1906年) (C)イマジンネット画廊所蔵/共同通信イメージズ

 日露戦争後の犯罪で、明らかに戦争の影響を受けている事件をもうひとつ挙げておこう。平時なら起こりそうもない事件と言えようか。人体を傷つけることをなんとも思わないケースである。やはり戦争の終わった年(明治38年=1905年)の7月と翌年3月に同一犯人によって引き起こされた事件である…

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