著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

光クラブ事件(9)調べるほどに納得をした山崎晃嗣の怒りの深さ

公開日: 更新日:
東大生社長の山崎晃嗣が自殺した「光クラブ」社長室。机の上に置かれた写真は、山崎晃嗣自身(1949年=昭和24年11月25日)/(C)共同通信社

 山崎晃嗣が学業の傍らいそしんでいた光クラブは、実際には綱渡りの事業であった。出資者に高配当を出しながら、貸し付ける側にはさらに高い利息を取るなどというのは、まさに素人の事業でもあったのだ。こういう無理な仕組みはいくつもの法律に違反していた。

 実際に銀座に移っての3カ月後…

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