著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

光クラブ事件(4)学徒出陣組に対する下士官の嫉妬といじめ

公開日: 更新日:
学徒出陣壮行会で万歳する学徒(1943=昭和18年11月29日、東京駅)/(C)共同通信社

 光クラブの山崎晃嗣が学徒として入隊したのは陸軍の主計将校を養成する部隊であった。主計将校として、それこそ戦争末期であったから2カ月とか3カ月の教育を終えて、すぐに部隊に派遣されていく。まず山崎はこの期間中にタテマエ主義の軍の残酷さを知るのである。

 こうした話は、平成の初…

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