著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

日本人にとって天皇制の姿をまざまざと見たGHQ

公開日: 更新日:
熱狂する名古屋市民の中を市役所に向かわれる天皇(1946年=昭和21年10月22日)/(C)共同通信社

 天皇の全国巡幸時のエピソードをさらに見ていきたい。これは神奈川巡幸になるのだが、久里浜の引き揚げ者共同住宅でのことであったが、たまたま天皇は南方要域からの帰還の下士官や若手将校の一団の部屋に入った。この一団は起立して敬礼をしている。天皇は黙したままであった。すると将校の一人が、…

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