著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

天皇・マッカーサー会見に影響を与えていた東京裁判

公開日: 更新日:
極東国際軍事裁判初日、入廷する裁判長らを迎え起立する法廷内の被告たち(1945=昭和21=年5月3日)/(C)共同通信社

 奥村勝蔵の立場が極めて微妙だったというのは、東京裁判の進み具合によってというべきであった。東京裁判は、昭和22(1947)年2月にひとまず検察側の訴因55に対する立証を終えたのだが、それ以後、被告たちの弁護人が反証を加えていくことになった。正確には、この年の2月24日から翌昭和…

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