G7広島サミットが中国に潰される? 開催前に習近平が訪ロ、ウクライナとの停戦画策
ロシアによる無謀なウクライナ侵攻開始から1年が経過したが、終戦に向けた出口は見えない。泥沼化の中、孤立を深めるプーチン大統領が頼みにするのが、中国の習近平国家主席だ。プーチンからモスクワ訪問を熱烈要請されている習近平は、3月上旬の全国人民代表大会(全人代)で国家主席に3選後、最も効果的なタイミングを模索しているとされる。
「米国との緊張が高まっている中国にとって、訪ロは強力な対米カード。習近平氏は4月末から5月上旬に訪問し、プーチン氏に停戦をのませ、大国の指導者としての存在感を示す狙いがあるとみています」(筑波大名誉教授の中村逸郎氏=ロシア政治)
中国外務省は24日、「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」と題する文章を発表。訪ロの伏線とみられている。
中国は「ロシアとウクライナが互いに歩み寄り、早期に直接対話を再開し、最終的には全面的停戦で合意することを支持する」「対話はウクライナ危機を解決する唯一の道だ」などと表明。一方、ウクライナへの軍事支援や対ロ制裁を続ける米欧を念頭に「各国は火に油を注ぐことを控えるべきだ」「一方的な制裁に反対する」と批判を展開。「軍事集団の拡大で地域の安全保障を図ることはできない」として、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大に警戒するロシア側にも理解を示し、「中国は引き続き建設的な役割を果たす」と主張した。