笹子トンネル天井板崩落事故から10年…被害者の父・松本邦夫さんは「組織罰」の実現目指し活動中
被害者の父・松本邦夫さん
2012年12月2日午前8時3分、山梨県大月市の中央自動車(上り線)笹子トンネルで天井板が138メートルにわたり崩落し火災が発生した。車3台が下敷きになり男女9人が死亡、3人が重軽傷を負った。
◇ ◇ ◇
事故は東京・浅草橋のシェアハウスに住む若い男女を巻き込んだ。そのうちの1人で、社会人2年目だった長女の松本玲さん(当時28歳)を亡くした邦夫さん(72)は言う。
「事故から10年、亡くなった娘が生きていれば38歳になっています。どのように豊かな人生を歩んでいたか、夢想しない時はありません。娘の失われた人生に対する哀惜の念は募るばかりです。多くの人命が失われた事故なので、そこから教訓をくみ取り営みを続ける必要があります」
■日本の刑法にはない「組織罰」の実現を目指し活動中
事故後、遺族は「原因究明」「責任追及」「再発防止」を目的として、裁判などの活動を続けてきた。