ウクライナ侵攻11カ月、ロシア正教とも亀裂か…ますます怪しいプーチン氏の精神状態
「プーチンの戦争」が始まってから11カ月が過ぎた。ウクライナのゼレンスキー大統領は徹底抗戦の構えを崩しておらず、無謀な侵略に終止符を打てるのはロシアのプーチン大統領にほかならない。だが、その精神状態はいよいよ危ぶまれている。
タフな指導者を売りにしてきたプーチン氏は釣り、乗馬、狩猟などさまざまなシーンでマッチョな肉体を誇示。「強い男」をアピールし、求心力を高めてきた。真偽は怪しいが、野生のアムールトラに襲われたカメラマンを救出するため、素手で野獣を倒したとも喧伝されている。
そうしたプロパガンダの中でも重要なのが、ロシア正教の「神現祭」(主の洗礼祭)だ。キリストが洗礼を受けたとされる日にあわせ、毎年1月中旬に各地で信者らが極寒の海や川で沐浴する伝統行事。敬虔な信者として知られるプーチン氏も氷点下20度を下回る屋外で聖水に漬かり、その姿は毎年テレビで流されていた。それが、ウクライナ侵攻の前年を最後にパッタリ。今年もプーチン氏の沐浴は報じられなかった。ロシア正教との持ちつ持たれつの関係に、ついに亀裂が生じたのか。
「ロシア正教会最高位のキリル総主教は昨年10月、70歳を迎えたプーチン氏を称賛し、健康を祈るよう聖職者に呼びかけた。侵攻を支持する姿勢に表向きの変化はありません。ソビエト時代の無神論によって迫害されたロシア正教は、プーチン体制下で息を吹き返した。その見返りとしてお墨付きを得たプーチン氏は、皇帝のごとく振る舞ってきた。互いに政治的に利用しあってきたわけですが、もともとプーチン氏のやり方に眉をひそめる高位聖職者は少なくなく、侵攻への批判もくすぶっている。体調不安による判断力の低下を疑われるプーチン氏は、心のよりどころでもある宗教にも見放され、平常心を失いつつあるともみられています」(外交関係者)