〈現地ルポ〉Z世代“立ちんぼ女子”の22年暮れ 寒空の下で歌舞伎町・大久保公園に群がる中年男性たち
“眠らない街”新宿・歌舞伎町。昨年、トー横キッズとともに全国的に名が知れ渡ったのが、歌舞伎町交番の裏手にある大久保公園だ。
別名「立ちんぼ公園」──。同公園と都立大久保病院、そして複合ビル「ハイジア」との間の路地を中心に、昼過ぎから深夜まで若い女性、特に最近はZ世代と呼ばれる10代から20代前半の“立ちんぼ女子”が増えている。
そこでは“援交”の交渉が行われるため「交縁」とも呼ばれ、今や一大路上売春スポットとして知られるようになった。ネットで検索すると様々な情報が飛び交い、隠し撮りした動画もYouTubeに多数アップされている。そんな大久保公園の歳末を追った。
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12月30日19時過ぎ。気温7度の歌舞伎町は、コロナ下とは思えないほどたくさんの酔客や外国人を含めた観光客で賑わっていた。
ランドマークでもあるゴジラヘッドがある「新宿TOHOビル」(旧コマ劇場)前の広場“トー横”では、「地雷系」や「ぴえん系」と言われるカジュアルファッションのジャケットに身を包んだ10代、20代の男女10数人のグループが数組、路上に置いたスピーカーから流れるダンスミュージックで踊っていた。
大久保公園は、そこからさらに北へ200メートルほどのところに、飲食店やラブホテルが混在するエリアにある。
「この辺りは20年以上前から、外国人や中年女性が客引きする隠れ売春スポットとして知られていました。若い女性が目立ちだしたのは、トー横キッズが話題になりだした2年ほど前からです」
こう話すのは、歌舞伎町に詳しい風俗ライターだ。
“立ちんぼ”のメーンストリートである大久保公園と都立大久保病院、ハイジアの間の路地へ行くと、すでに5、6人の女性たちが所在なげに立っていた。夜間は閉鎖される大久保公園の周囲をぐるりと1周し、ハイジア西側の路地にも足を運ぶ。