「ロス疑惑」元被告人・三浦和義氏が無実の訴え「検事自身が2人組の犯人の目撃者に会い調書も取っていた」
1980年代に国民的注目を集めた「ロス疑惑」。保険金目的で妻を殺害した疑いをかけられた三浦和義氏(享年61)は裁判で無罪が確定したが、2008年に米国を旅行中、現地の警察に再び妻殺害の容疑で逮捕され、獄中で自ら命を絶った。
◇ ◇ ◇
「そもそも、僕に保険金殺人をやる動機なんてないんですよ。経営していた会社は年商が12億円あり、社長の僕は150万円くらい給料をもらっていましたから。飲み食いやホテル、車代は全部経費で落とせましたしね」
赤坂の喫茶店で初めて三浦氏と会ったのは、亡くなる2年前の06年夏のことだった。社長とはいえ、個人的な遊興費を経費で落としたら問題だ。しかし、自分が無実なのは自明のことのように語る三浦氏の言葉は説得力があった。
三浦氏は輸入雑貨販売会社を営んでいた1981年11月、妻の一美さん(当時28)と米国ロサンゼルスを旅行中、何者かに銃撃された。頭を撃たれた一美さんは、1年の入院生活の末に死亡。自身も足を撃たれた三浦氏が意識の戻らない妻に尽くす姿は世間の涙を誘った。