著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

敗戦が濃厚になると現実から目を背けるため国民は幽霊話を信じ始めた

公開日: 更新日:
山本五十六(C)共同通信社

 開戦の翌日に検挙された396人の検挙理由を見ていくと、軍人内閣の心理状態がわかってくる。その心中は穏やかざるものがあり、戦争に疑問を呈しただけでどのような理由をつけても検挙、逮捕しようというわけである。権力者が弾圧を繰り返す心理は、つまるところ他人を信用しないという病的な現象を…

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