ロシア国内で横行する「動員逃れ狩り」の惨状…狙いは“反プーチン”取り締まりか
ロシアのプーチン大統領が発令した部分動員令をキッカケに、ずさんな動員実態が浮き彫りになっている。対象外の高齢者や重病患者などに招集令状が届く事態を受け、プーチン大統領は「全ての誤りを正すべきだ」と表向き是正を求めたが、実際は改善どころか、大規模な“動員逃れ狩り”まで横行している惨状だ。
ロシアの人権団体「Net Freedoms Project」によると、ロシア当局は国防省と結託し、警察や税務署、病院やホテルなどのデータベースを使って動員逃れの国民を調べあげているという。独立系英字紙モスクワ・タイムズは12日、取り締まりの一例として、招集延期証明書を持った学生を警察が3回も拘束したと報じた。
記事によれば、警察がモスクワ市内のホテルに宿泊していた18歳から55歳までの男性客40人を軍の徴兵事務所に連行。ロシア第2の都市サンクトペテルブルクでは、ぜんそく患者の男性が治療のために総合病院の予約システムを通じて診療を予約したところ、医師から令状を渡される“珍事件”も発生したという。