ロシア下院議員が激怒! 「軍服150万人分消失」の怪事件はクーデターの予兆か
弱り目にたたり目だ。ウクライナ戦争で苦戦を強いられているプーチン大統領の足元で“怪事件”が発生。ナント、招集兵に用意していた軍服150万人分が消えたというのだ。
モスクワ・タイムズ(電子版3日付)によると、ロシア下院議員で元陸軍中将のアンドレイ・グルコフ氏が自身のSNSに、〈戦闘員の受け入れのために備蓄していた150万人分の軍服がどこへ消えたのか分からない。なぜこんな問題が起こるのか。誰も説明しようとしないのだ!〉と投稿。怒りをあらわにしたという。
一体、誰が何の目的で軍服150万人分を「消した」のか。
筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)がこう言う。
「一般市民はもちろん、末端の兵士に持ち出せるとも到底考えられず、ロシア軍高官の工作だと考えられます。ある程度の組織でなければ、大量の軍服は動かせないでしょう。では、動機は何か。事実上、ロシア軍は崩壊しており、新たな動員もままならない状況です。地上での作戦遂行が難しいとなると、プーチン大統領が取る選択肢は、戦術核を含む強力な兵器の使用に狭まってきているといえます。ロシア軍からすれば、核兵器が使われる恐れのある死地へ仲間を動員させたくないわけです。しかも、ドネツク・ルガンスク2州を解放して『特別軍事作戦』は終わるのかと思いきや、4州を併合しても終わりは見えない。プーチン大統領への反発、反感が高まっていると考えれば、消えた軍服事件はロシア軍によるクーデターの予兆とも捉えられます」