立岩陽一郎
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立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部客員教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

米バイデン大統領の国連演説から読み解く 露プーチン大統領への痛烈メッセージ

公開日: 更新日:

 プーチン露大統領の「新たに予備役30万人動員令へ」が大きく報じられている。ウクライナ軍が被占領地の一部を奪還するなど攻勢を強めているとの報道と相まって、ロシアの強硬な姿勢に警戒するという論調だ。30万人は自衛隊の総員数をはるかに上回る規模だけに、懸念は当然かもしれない。

 報道ではアメリカが強く反発したということになっている。プーチン氏の演説の後に行われたバイデン米大統領の演説も紹介され、ロシアとの対決姿勢を強める米側の姿勢と米ロ対決が更に激化するとの観測が紹介されている。恐らく、激化する状況は間違いない。しかし、少なくともアメリカ側の姿勢は報道とは違うようだ。

 小欄ではウクライナ情勢をバイデン氏の発言を通じて見てきた。今回もそれを踏襲する。注目したいのはロシアとの対決姿勢を強める姿勢とされた9月21日の国連演説だ。翻訳は筆者による。

 まず、「国連安保理の常任理事国が隣国に侵攻し、主権国家を地球上から消そうとしている。ロシアは恥ずかしげもなく国連憲章の核となる精神を踏みにじった」とロシアを批判。そして「今、再び、ロシアは戦闘に参加させる兵士を招集している」と語っている。しかし、その日のプーチン氏の発表にある「30万人招集」について触れたのはこの部分だけだ。また冒頭の言葉も、国連演説の導入としての形式的な意味合いともとれる。この後もロシアの批判を展開しウクライナに対してこれまでに250億ドルにのぼる軍事的及び人道的な支援を実施してきたと述べた。しかし、特にこれまでと大きく変わるところはなく、むしろ、抽象的な発言に終始した演説との印象が強い。

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