加藤智大元死刑囚の手記編集者「事件ときちんと向き合って深い反省の言葉を表現して欲しかった」

公開日: 更新日:

佐藤英之さん(「批評社」編集長)

 2008年6月8日午後0時半ごろ、派遣社員の加藤智大・元死刑囚(事件当時25)が、東京・秋葉原の歩行者天国にトラックで突っ込み、通行人らをはねた後、ナイフで切りつけた。10~70代の7人が死亡し、10人が負傷。15年2月に殺人罪などで死刑判決が確定し、今月26日に刑が執行された。

 加藤元死刑囚の裁判は、10年1月に東京地裁で始まった。弁護側は殺傷を認めつつ、責任能力について争う姿勢をみせた。1審、2審は死刑判決。しかし加藤元死刑囚側は「死刑は重すぎる」などと主張し上告。最高裁判決で刑が確定したのは15年2月だ。

 加藤元死刑囚は1審判決後から死刑確定までの12年7月から14年8月に手記を4冊(すべて批評社)出している。

 批評社の佐藤英之編集長は、編集作業のため、東京拘置所で20回程度面会を重ねている。

「初めて会ったときは『なぜ彼があんな事件を起こしたのか』と。それほど礼儀正しく、素直な人でした。印象は最後まで変わらなかったが、プライベートな話は一切しなかったですね。面会時間は15分と限られていましたから、出版に関する手続きの話をしていました」

 出版のきっかけは、同社で発刊する雑誌「精神医療」の編集委員会だった。

「委員会に出席する医師から『原稿を読んで出版の可否を決めてほしい』と頼まれました。加藤くんの意思で書かれた手書きの原稿で、一文字一文字丁寧な字で書かれていて、表現も繊細。とても真面目で頭がいいのだと思いました。大きな事件の被疑者の手記ですから、出版に値するだろうと返事をしました」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    値上げラッシュなのに…10月1日からの「加熱式たばこ」増税にメーカー各社が異例の対応

    値上げラッシュなのに…10月1日からの「加熱式たばこ」増税にメーカー各社が異例の対応

  2. 2
    オリ山本由伸は2年連続「投手5冠」確実も…来季はダルビッシュと同じ“悩み”抱える懸念

    オリ山本由伸は2年連続「投手5冠」確実も…来季はダルビッシュと同じ“悩み”抱える懸念

  3. 3
    JOC竹田前会長“ガサ入れ”情報! 旧皇族自宅の高級マンション前に報道陣殺到し住民困惑

    JOC竹田前会長“ガサ入れ”情報! 旧皇族自宅の高級マンション前に報道陣殺到し住民困惑

  4. 4
    パ優勝へ王手のソフトバンクは「7.5億円 松田・千賀資金」争奪戦が選手のモチベーション

    パ優勝へ王手のソフトバンクは「7.5億円 松田・千賀資金」争奪戦が選手のモチベーション

  5. 5
    広島は5位終戦…いずれやって来る新井時代へ、野村、緒方、金本ら監督経験者待望論

    広島は5位終戦…いずれやって来る新井時代へ、野村、緒方、金本ら監督経験者待望論

  1. 6
    借金球団のCS進出に物申す! フルマラソンの後の短距離走に意義はあるのか

    借金球団のCS進出に物申す! フルマラソンの後の短距離走に意義はあるのか

  2. 7
    米アップル最重要幹部の“不適切ジョーク”が急拡散し辞任へ…同社も認め全米に衝撃!

    米アップル最重要幹部の“不適切ジョーク”が急拡散し辞任へ…同社も認め全米に衝撃!

  3. 8
    石田純一“親心”がアダで仕事激減…息子いしだ壱成と「父子共倒れ」の危機

    石田純一“親心”がアダで仕事激減…息子いしだ壱成と「父子共倒れ」の危機

  4. 9
    フジ「ポップUP!」わずか半年で打ち切り…後釜番組「ぽかぽか」に漂う“万策尽きた”感

    フジ「ポップUP!」わずか半年で打ち切り…後釜番組「ぽかぽか」に漂う“万策尽きた”感

  5. 10
    かたくなな日銀・黒田総裁にイラ立つ岸田官邸…為替単独介入決断の背景

    かたくなな日銀・黒田総裁にイラ立つ岸田官邸…為替単独介入決断の背景