【福島】自民の利益誘導選挙に「話す力」の元ラジオアナが猛追

公開日: 更新日:

福島(改選数1)

○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。左印は政治評論家・野上忠興氏、右印は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。

 ◇  ◇  ◇

 参院選ラストサンデー(3日)の須賀川市。同市を含む衆院福島3区で10回連続当選中の立憲民主党玄葉光一郎元外相は個人演説会で、野党系無所属の小野寺をこう紹介した。

「当初は12ポイントあった差が縮まり、毎日新聞の調査では1ポイント差になった」

 玄葉は「昨年の総選挙で福島(5小選挙区)は野党3勝で勝ち越している」と地力があることも強調し、逆転勝利への手応えを語った。実際、各紙が報じる福島の中盤情勢は「自民優勢」から「接戦」に転じ、選挙全体の自民大勝予測が崩れるかを占う激戦区になっている。

 猛追の原動力は、ラジオアナウンサー時代に磨いた「話す力」。感情を込めた明瞭な話しぶりで、比喩も絶妙だ。岸田政権が継承するアベノミクスで大企業と金持ちが儲かる一方、円安誘導で庶民が物価高に苦しむ実態を「大きな歯車と小さな歯車」に例え、「小さな歯車にもオイルを注がないといけない」と訴える。聞きほれた司会者が涙ぐむほどで、共感が熱伝導のように広がる話術の持ち主なのだ。

 立憲の小川淳也政調会長が応援に入った1日の二本松市での街宣でも、小野寺は「岸田政権は『節電ポイント』を打ち出した。政府は汗をかかず国民に汗をかけと」と一刀両断だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    春闘「下請け泣かせ42社リスト」大企業の賃上げは中小企業の犠牲で成り立つ

    春闘「下請け泣かせ42社リスト」大企業の賃上げは中小企業の犠牲で成り立つ

  2. 2
    2006年東大阪集団リンチ殺人事件 小林竜司死刑囚は「面会室ではにこやかで、話し方も丁寧だった」

    2006年東大阪集団リンチ殺人事件 小林竜司死刑囚は「面会室ではにこやかで、話し方も丁寧だった」

  3. 3
    犬かコヨーテか? テキサス州で保護された動物 DNA検査の結果で分かった正体

    犬かコヨーテか? テキサス州で保護された動物 DNA検査の結果で分かった正体

  4. 4
    米国で最も人気のある犬 31年首位「ラブラドルレトリバー」2位転落、王座を奪ったのは

    米国で最も人気のある犬 31年首位「ラブラドルレトリバー」2位転落、王座を奪ったのは

  5. 5
    大谷翔平WBCで旋風も品行方正すぎて惹かれない?清原和博のような“やんちゃ”は時代錯誤か

    大谷翔平WBCで旋風も品行方正すぎて惹かれない?清原和博のような“やんちゃ”は時代錯誤か

  1. 6
    日テレ「さんま御殿」NHKアナ大量出演は“青田買い”か? 夢の競演に隠された別の思惑

    日テレ「さんま御殿」NHKアナ大量出演は“青田買い”か? 夢の競演に隠された別の思惑

  2. 7
    三浦瑠麗氏の“セレブアピール”なぜ嫌われた? 夫逮捕でもオシャレに決める強心臓

    三浦瑠麗氏の“セレブアピール”なぜ嫌われた? 夫逮捕でもオシャレに決める強心臓

  3. 8
    ドルガバを着て顔に野心が透ける三浦瑠麗さんのこと、あたし好きだったんだな

    ドルガバを着て顔に野心が透ける三浦瑠麗さんのこと、あたし好きだったんだな

  4. 9
    株価大幅下落の今がチャンス!家計を助ける3月確定株主優待「食品・外食」など33銘柄

    株価大幅下落の今がチャンス!家計を助ける3月確定株主優待「食品・外食」など33銘柄

  5. 10
    「なにわ男子」主演映画の動員数で高橋恭平が道枝駿佑を逆転か メンバーの切磋琢磨で生じる懸念

    「なにわ男子」主演映画の動員数で高橋恭平が道枝駿佑を逆転か メンバーの切磋琢磨で生じる懸念