【京都】国民民主・前原誠司がフル回転 維新の女性候補にくびったけ
京都(改選数2)
○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。左印は政治評論家・野上忠興氏、右印は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。
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【京都】
○○吉井 章55 自新
△△福山 哲郎60 立現
▲▲楠井 祐子54 維新
▲ 武山 彩子51 共新
近江 政彦52 N新
星野 達也33 N新
「日本維新の会の公認候補でいらっしゃるので、われわれが出しゃばってもイカン」
本人の言葉とは裏腹に、国民民主の前原誠司選対委員長が前に出て、維新の楠井を全面支援だ。国民民主が全国で唯一、維新候補を推薦。その楠井は4月の出馬表明まで32年間、大阪ガスに務めた“大阪の人”だ。知名度不足を補おうと、地元選出の前原がフル回転している。
支援者紹介のため、自身の選挙区になんども楠井を連れて、あいさつ回り。公示前は市内の至る所に楠井との2連ポスターを張り、楠井の事務所開きでは遅れた本人に代わって10分近くスピーチするなど、自分の選挙並みの力の入れようだ。
情勢は、自民が引退決定後に初入閣した二之湯智・国家公安委員長の後釜に京都市議の吉井を擁立。地方組織の圧倒的パワーで優勢だ。残る1議席を立憲は5選を目指す前幹事長の福山が、3年前に議席を得た共産は武山が、楠井と激しく争う。
“前原効果”は限定的?
前原は維新支援の理由を「国民には非自民・非共産の中道保守の改革勢力という選択肢が必要。維新が中核となり、われわれが応援することで、その流れが京都から生まれればいい」と強調するが、政界では「福山さんへの私怨がある」とささやかれている。
「前原さんは地元で絶大な人気を誇る。ただ、維新と連合には労働法制を巡り、決定的な溝がある。前原さんを支援する産別労組の票が維新に流れるとは思えず、“前原効果”は限定的でしょう」(地元政界関係者)
組織票が望めなければ、維新は「風」を起こそうと必死。公示後の週末は“人気者”の吉村洋文・大阪府知事を極力、地元入りさせる予定だ。
立憲反発「京都のことは京都で決める」
「先日、応援に入った松井一郎代表が財政難の京都市と比較し、大阪の改革をアピール。『大阪でできたことは京都でもできる』と言うてはったけど、大阪モンにバカにされているようで、いい気はせんわな」(地元有権者)
そんな京都人の心をくすぐるように、福山陣営が掲げるキャッチコピーは「京都のことは京都で決める」。福山本人も「大阪府のコロナ死亡率は全国一高い」と維新行政を批判。支援者を前に「国会を離れたくない。落選したので、もう国会で議論できませんって正直、嫌です。まだ、やらなきゃいけないことがたくさんある」と半ベソ気味で情に訴える。
維新が勝てば「京都の壁」を突破し、立憲は「近畿全滅」の可能性もある。かつては同志だった「前原VS福山」のバトルはどう転ぶのか。