日本維新の会が体現する「昭和型の政治」を拡大させてはならない
兵庫県西宮市民が良識を示した。市長選と市議補選(3月27日投開票)で、日本維新の会が公認した市長候補と市議候補2人の全3人が落選。現職の石井登志郎は維新公認の増山誠に倍近い大差をつけて圧勝した。大阪府外で初の公認首長誕生は無事阻止されたことになる。維新はこの市長選を「党勢拡大の足掛かり」と位置付けていたが、石井は当選後、「一市長選に党勢拡大を持ち出すのが大間違い」「国政政党として大変乱暴だ」と批判した。その通りである。
石井は元民主党議員で今回政党推薦を求めなかったが、自民や立憲民主などから幅広く支援を受けた。共産は独自候補擁立を見送って自主投票にし、公明も自主投票とした。与野党がともに戦ったのは、それほど維新が論外ということである。
投開票日の前日、吉村洋文は増山の応援に駆けつけ、「政治家に近い人にだけ利益がいくような昭和型の政治はやめましょう」「本気で改革する政治家に一票を託してもらいたい」と訴えた。
盗人たけだけしいとはこのことだ。パソナ、サラヤ、吉本興業……。身を切る改革と言いながら「大阪府民の身を切る改革」を断行し、そこから発生する利権を特定の企業に流してきたのが維新ではないか。