立岩陽一郎
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立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部客員教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

緊迫するウクライナ情勢 CIAの仕事で最も大きな割合を占めるのが公開情報の分析

公開日: 更新日:

 ウクライナ情勢が緊迫の度合いを強めている。この原稿が出る時にどうなっているのかを予測することも難しい。アメリカ軍は当初から、ウクライナの東部、つまりロシアとの国境でロシア軍が攻撃を受けたとの「事変」を演出してウクライナ側に攻め込むとのシナリオを予見していた。その現実味が高まっているともいえるだろう。

■緊迫するウクライナ情勢を読み解くには…

 一方で、アメリカからの発表にも混乱が見られる。こうした時はどうするべきか。私が滞在していた米アメリカン大学に長くCIAでロシアを担当してきた研究者がいた。彼から、CIAの仕事で最も大きな割合を占めるのが公開情報の分析だと聞いたことがある。中でも、首脳の発言の分析は重要との話だった。その発言とは公の場での発言だという。「そこには常にメッセージが込められている。それを読み解くことが重要だ」と話していた。

 それを現在のウクライナ情勢でのバイデン米大統領の発言に適用してみたい。2月20日、日本のメディアは一斉に「ロシアが侵攻決断」とするバイデン氏の発言を報じた。状況がさらに緊迫していることを伝える内容だ。では、実際の米大統領の発言はどうだったのかを逐語訳すると、「我々はロシア軍がこの数日中にウクライナに侵攻すると信じるべき理由を得ている。彼らは首都キエフをターゲットにしている」だ。「確信」は「we have reason to believe」を訳したもので、誤訳ではない。しかし、多少ニュアンスは変わってくる。加えて、「繰り返すが、ロシアはまだ外交による解決を選択できる」とも語っている。結果的に「確信」は正しいとなる可能性もあるが、現段階で「確信」という強い表現は強すぎるようにも思える。

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