【愛知②】トヨタ労組の自民接近で情勢一変、一時引退表明の自民前職が棚ボタか
○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。左印は政治評論家・野上忠興氏、右印は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。(前)は比例で当選。
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【愛知9区】
▲▲長坂 康正 64 自前
△△岡本 充功 50 立(前)
海部元首相の影響力が今なお残る保守的な地盤。海部の秘書だった長坂が過去3回、選挙区で連勝しているが、今回は共産が候補を立てずに岡本を支援。医師でもある岡本はコロナ対策を訴えて支持を広げている。
【愛知10区】
△△江崎 鉄磨 78 自前
▲▲藤原 規真 43 立新
板倉 正文 63 共新
▲ 杉本 和巳 61 維(前)
安井美沙子 56 れ新
何度も引退をほのめかしてきた江崎。出世欲がなく、2017年に安倍政権で沖縄北方相に就任した際も当初は「任にあらず」と固辞。結局、体調不良を理由に自ら辞任した。
「入閣は重荷でしかなかったそうです。気が進まない大臣就任の記者会見前も景気づけの酒を飲んでいて、当時の安倍総理に怒られたとか。今年9月の総裁選では、ただひとり白票を投じたことが話題になりました。酒好きで正直な人柄を慕う人は多いですが、年齢的に本人も限界を感じているのではないか」(自民党関係者)
候補乱立で、辞めたがっている江崎が有利という皮肉な選挙区。
【愛知11区】
○○八木 哲也 74 自(前)
本多 信弘 45 共新
梅村 忠司 65 無新
トヨタ自動車のお膝元。全トヨタ労連(全ト)の“組織内候補”で当選確実の古本伸一郎が解散当日に不出馬を表明し、連合愛知は騒然となった。
「古本は03年の初出馬で当時の小泉首相を上回る全国トップの得票数を記録し、これまで6連勝と圧倒的な強さだった。不出馬は野党から自民党に乗り換えたい全トの意向。トヨタもえげつないことする」(地元関係者)
棚ボタで、一度は引退を表明した八木が圧勝しそうだ。
【愛知12区】
▲ 青山 周平 44 自(前)
△〇重徳 和彦 50 立前
過去2回の対決は重徳が勝利。今回、全トは愛知県内の「連携議員」を重徳と9区の岡本、13区の大西に絞ったが、これまでのような全面支援は望めない。重徳は“立憲色”を極力薄めて保守層にアピールするが、萩生田経産相や岸田首相も応援に入ってテコ入れの青山が猛追。
【愛知13区】
▲ 石井 拓 56 自新
△〇大西 健介 50 立前
大西が優位だが、全トと自民接近の影響で僅差の勝負にもつれ込むかも。
【愛知14区】
△○今枝宗一郎 37 自前
▲ 田中 克典 47 立新
野沢 康幸 33 共新
自民支持層を手堅く固める今枝が優勢。
「地元の名門・東海中高から名大医学部のエリートだもんで、地元では未来の総理候補と期待されとる」(地元関係者)
田中は前回、希望の党から出馬し、比例復活もかなわず落選。4年間の地道な活動を糧に追う展開。
【愛知15区】
△△根本 幸典 56 自前
▲▲関 健一郎 43 立(前)
菅谷 竜 40 れ新
根本が頭一つ抜けた。関は前回、比例復活で初当選。無党派層への浸透にシャカリキ。