金子勝
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金子勝立教大学大学院特任教授

1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

命運尽きる菅首相…乗り越えられない「3つのハードル」

公開日: 更新日:

 今月の世論調査で内閣支持率は総崩れだ。朝日新聞は前月比7ポイント減の33%、毎日新聞が9ポイント減の31%。不支持率はそれよりはるかに高い。政府の新型コロナウイルス対策を「評価しない」は6~7割を占め、東京五輪の中止ないし延期を求める声は8割に上る。

 多くの国民は新型コロナ対策を見て、菅政権は政策実行能力が全くないことを確信した。安倍政権以降、内閣人事局を通じて霞が関を支配し、忖度官僚を量産しつつ、言論を脅かす。公安警察出身の杉田官房副長官らによるやり方が官僚制度を腐らせてしまったのだ。総選挙前に菅首相は次の3つのハードルを越えなければならないが、非常に難しい。

 第1は緊急事態宣言の全面解除だ。先月25日に4都府県に発令された宣言はすでに延長され、10都道府県に拡大。自粛頼みのステイホームは感染拡大をある程度抑えても、ウイルスをなくすわけではなく、変異株に対して効果が薄い。徹底検査、隔離、精密医療を生かした治療法の確立が急務だ。

 第2は高齢者のワクチン接種。菅政権が目標とする7月末完了は絶望的で、医療従事者でさえ完了していない。このままでは選手だけが打ち終え、専用車で守られる一方で、多くの国民は接種できないまま。要するに危険な国民を避けながら試合に臨むわけで、盛り上がるわけがない。欧州だったら即中止だろう。日本をコケにするIOC(国際オリンピック委員会)のプランを丸のみした菅政権の責任は極めて大きい。

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