暴力団衰退の要因を野放しにしてきた六代目山口組の高山若頭
4月末、警察庁がまとめた数字によると、昨年末の暴力団構成員と準構成員の人数は2万5900人。前年比2300人減で、16年連続の減少という。
日本の芸能人の数はタレント名鑑登録数で約1万1000人、タレントデータバンク登録数で約2万4000人というから、ヤクザ、暴力団は今や芸能人並みに希少になった。ネットでの話題性や情報発信力も芸能ネタに匹敵するかもしれない。
分裂抗争渦中の山口組がらみでは、六代目山口組が8200人、神戸山口組が2500人、そこから分裂した絆会が490人という。分裂の前年、六代目山口組は構成員だけで1万300人(他にほぼ同数の準構成員)がいた。それがわずか6年で実質3分の1に縮小した。
六代目山口組は激しい攻撃で神戸山口組を籠城状態に押し込んだ。組織の切り崩しでも神戸山口組からぼろぼろ人材を引き抜いている。それでいてなぜメンバー数が減るのか。
組員減は山口組だけではない。住吉会も前年比300人減の4200人、稲川会も100人減の3300人と縮んでいる。ということは、縮小の原因は分裂抗争になく、暴力団を取り巻く取り締まり法規の整備、警察の取り締まり体制強化、日本経済全体の景気下降、コロナ禍など、外部要因が大きいと思われる。