菅首相“8人ステーキ会食”のモヤモヤ 欧州では閣僚続々辞任
菅首相が8人で鉄板を囲んだ「夜のステーキ会食」をめぐる世間のモヤモヤは収まらない。菅首相は「誤解を招き、真摯に反省」とごまかし、閣僚らも次々に援護射撃。うやむやにして逃げ切ろうとの魂胆がミエミエだが、そうはいかない。新型コロナウイルス感染防止に断固とした措置を取る欧州だったら辞任モノなのだ。
アイルランドでは今年8月、“ゴルフゲート”が炸裂し、閣僚らがドミノ辞任。コトの発端はアイルランド議会のゴルフの社交クラブ主催のイベントだった。80人以上が一堂に会したホテルでの夕食会に農相や上院副議長らが参加。新型コロナ対策で屋内イベントの参加人数が50人から6人に規制強化された翌日、悪びれもせずに規制措置に違反していたのだ。政治家のズレた感覚を世論が猛批判し、農相らは辞任に追い込まれ、議員数人の処分に発展した。アイルランド出身のホーガン欧州委員会委員(通商担当)も出席していて、正当性を主張して1週間ほど粘ったものの、政界にも包囲網を張られ、辞任した。
お隣の英国でも、ジョンソン首相最側近のルール違反がバレ、官邸を去る羽目になった。3月のロックダウン実施中、上級顧問だったカミングス氏は陽性が判明していた家族を連れ、マイカーを400キロ以上も運転して親戚宅を訪問。世論の猛反発を食らってもジョンソン首相はかばい続けたが、権力闘争での敗北もあって11月に更迭された。