小林節
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小林節慶応大名誉教授

1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院の客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)

学術会議任命拒否問題 今度は準備してから嘘をつくのか?

公開日: 更新日:

 10月のNHK報道番組では、「問われない」約束だと思っていたせいか、学術会議会員の任命拒否について問われたら、怒って回答を拒否した菅首相であるが、12月4日の記者会見では、むしろ笑顔で明解に自説を開陳した。

 いわく、①内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考え方は、必ずしも(同会議からの)推薦通り任命しなければならないわけではない。②日本に研究者は90万人いるが、学術会議に入れるのは会員210人と連携会員2000人だけで、彼らの推薦がなければ新しい人が入れない現実がある。既得権益、悪しき前例主義を打破したい。③そういう観点から自ら判断した。

 しかし、①かつての「戦争法」(平和安全法制?)騒動の際に、「憲法9条の下では海外派兵は禁じられている。つまり、改憲せずに海外派兵はできない」という歴代自民党政権の「一貫した」見解を守っていた法制局の長官を更迭して強引に解釈変更を行わせた安倍政権の官房長官が、今、法制局の「了解を得た」とは、驚かせないでほしい。しかも、学術会議の推薦を拒否できるという立場が「政府の一貫した考え方」だとは、真っ赤な嘘である。憲法23条(学問の自由)の下で、学術会議は、一般職の公務員とは別建ての特別法で人事の自律性が保障されている……というのが、政府の一貫した立場である。②既得権益と悪しき先例主義を言うならば、世襲議員、政党助成金、記者クラブ等、目の前に真性の悪しき既得権益があるではないか。しかも、以上は、問われているあの6人を拒否した理由を何も語っていない。③こんな判断しかできないのなら、政治家としての資質が問われて当然である。

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