菅首相魂胆透ける 学術会議任命拒否“黒幕クビ”のシナリオ
日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命拒否を巡り、菅首相が“白旗”寸前だ。衆院予算委員会で一問一答の追及を受け、タジタジ答弁からは「逃げ道」を探る魂胆が透けて見える。
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■シレッと前例打破
4日はこれまでの答弁を微妙に修正。菅首相は「官房長官時代から大学偏重や民間、若手が少ないなどに懸念を抱いてきた」との答弁を繰り返したものの、ゴニョゴニョと「今回の任命の判断と直結していませんけど」との“前置き”を付け加えた。女性や私大所属、若手の3人を排除するなど「多様性が大事」という自らの判断理由との矛盾を追及され、シレッと軌道修正。自身の答弁の「前例踏襲を打破」した格好だ。
「この調子では、41日間と会期の短い臨時国会は乗り切れても、少なくとも150日間の通常国会で学術会議問題を追及されたら、とてももたない」(自民党関係者)
どうやら菅首相は、幕引きを模索しているようだ。立憲民主の川内博史衆院議員が2日、6人の欠員について、「210名の会員を組織させるのは総理の責任だ」とただすと、菅首相は「理論的には言われる通りだ」と随分と聞き分けがよかった。
さらに菅首相は「仮に任命を行うには、日本学術会議法に沿って、改めて補充のための手続きが必要だ」と答弁。「改めてもう一度、学術会議が6名の推薦を上げてきたらどうするか」と問われると、「全体の内容を見て、判断することになる」と含みを持たせた。